第4話 おっさんのフェイス弄り
「渉さん、貴方の魂を借入れしました。」
「(はいはい、お約束なセリフありがとう)」
魂が入れ替わる、あの引っ張られる感覚の時がそうなのか、渉は質問を投げかける。
「ほう、それで?魂借り入れて何をさせるつもりだ?」
おっさんは落ち着いていた。
「(状況が安心出来ない以上、尚更冷静に考える必要がありそうだな)」
「もっと、取り乱して頂けると思いましたが、心配するまでも無さそうですね。」
「頂けるって、あなたは人の神経に気を遣って発言するってしない性格じゃないの?」
「・・・」
首を傾げる女性。頭にクエッションが出ていそうなポーズを取っている。おっさんはちょい可愛いと想ってしまうがすぐ表情を締め直す。
「渉さん、貴方の魂を借入れしたのには理由があります。まずは分かりやすくする為に、私の知識とスキルソウルの種を貴方の中に植えます。最初は痛みが出ることがありますが、すぐに治るはずです。直接話しをすると、30年掛かりますので、その為の強硬手段です。お許しください」
「(30年の会話など意識の中に植え付ける。異能有りは確定だな)」
「リスクは無いのか?痛みには耐える前提みたいだが。」
「いいえ、痛み以外のリスクもあります。簡単に言うと地球という星での渉さんの身体とは別の身体を用意することになる為、これからの成長具合によっては、渉さんは不平不満を言われることになるかもしれません。」
「別の身体。魂をアンタが用意した別の身体に入れ替えて、動けるようにするってことは想像出来たが、見た目とか、調整出来ないのか?」
どうせなら、コンプレックスな部分は隠したいからか、渉は要望を出す。
「(見た目は調整したいよなぁー)」
「見た目ですか?・・・出来ますよ、イメージフェイスという魔法を使う事で、1回だけ異世界に移動した際の顔として調整することができます。希望されるなら、今行使しますが?」
「ああ、そうしてくれ。どうしたらいいんだ?」
「・・・アルケルイメージフェイスー」
女性が何か唱えると胸の辺りから球体の水晶が出てきた。
「こちらの水晶に手を置き、向かって、貴方が望む顔を想像していってください。これでいいと思ったら、手を離して下さい。身体に組み込みます。」
「ほう、なんか工作感あるんだなw」
おっさんはどんな顔にするか想像しながら水晶に手を置くのであった・・・
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