残酷な話
・美雪の話
(昼間のファーストフード店にて語る)
だいたいりぃちゃんはね、深く考えすぎだと思うの。色いろなことをよ、すっごく真剣に、ほんとに真剣に考えちゃうのね。
例えばね、わたしがこの間、学校の花壇に咲いてたちゅうりっぷを、一個だけ、一個だけよ、摘みとったのね。そのときりぃちゃんったらすっごい顔して、なんて言ったと思う?
『植物に、人格があるかどうか認めないの』
だって。ねえ、訳わかんないでしょ、正直。だって植物は植物じゃない、そう言っても聞いてくれないの。何だか難しいことばっかり言って。
あっ違うのよ、りぃちゃんのことが嫌いとか、そういうことはぜんぜんないの。ほんとよ。ほんとにわたし、りぃちゃんのこと大すきだもの。りぃちゃんは私の、いちばんのお友達よ。
他にもおかしいのよ。わたしはいつもね、りぃちゃんのことすきだから、りぃちゃんすきって言うんだけど、りぃちゃんはぜんぜん、そっけないのね。だからわたしこの間、ねぇりぃちゃんも言ってよーって言ってみたの。そうしたら、ね、なんて言ったと思う?
それがね、『好きの定義が解らないのに私は簡単に好きと言えない』だってぇ。なんなのかなぁって思わない? ねっ、思うでしょ? りぃちゃんって変わってるのよ。
そうなの、りぃちゃんって変わってるのよ……そうなのよ。そうなの、それでね、これが言いたかったんだけどね。
その日わたしたちね、学校に残って勉強してたの。自主勉よ。偉いでしょ。でね、教室にはわたしたちしかいなくってね、まあよくあることなんだけど。それでね、いつも通りいっしょに勉強してたんだけど、いきなりりぃちゃんがね、言うの。
『美雪は私のこと、好き?』
って。で、さっきも言ったけど、わたしはりぃちゃんのこと大すきだから、
『すきよ。りぃちゃん大すき』
って言ったの。べつにいつも通りよ、これだって。でもね、りぃちゃんなんだかすっごくしかめっ面して、
『それは、どういう意味で』
ってきくの。わたしぜんぜんわかんなくて、でもりぃちゃんのことすきなんだってことはわかってほしいから、
『すきってことよ。そのままよ』
って言ったの。そしたらね、りぃちゃんね、ここらへんからわたし、よくわかんないんだけど……りぃちゃんね、苦しそうにこう言うの。
『美雪には、わからないだろうね。絶対に、永遠に、わからないだろうね』
って言うの。ぜったいに永遠にわかんないなんて言われたら、ちょっとは腹たつじゃない。それでわたし、なにが?ってきき返したの。だって訳がわからないんだもの。そしたらりぃちゃんね、言うの。
『美雪のせいで、私は頭がおかしくなりそう』
……
わかんないのよ、これ、ずっとわかんない。ずっと考えてるんだけど、ぜんぜんわかんない。だってわかんないでしょ? ぜんぜんわたし、わからなくって、だからそのときも、何も言えなかったのね。でも何も言わないわけにもいかないじゃない。だからね、わたし、りぃちゃんどうしちゃったの、元気出して、って励ましたの。そうしたらね、りぃちゃん、……。
……りぃちゃんね、笑うの。でもその笑顔がね、うまく言えないんだけど、なんて言うか、せつないの……悲しそうなの……泣きそうで、ああちょっと違うの、そうじゃないの、そうじゃなくて……今にも、消えちゃいそうな……。
だからわたし、必死に言ったの。りぃちゃんすきだよ、って。そうしたらねりぃちゃん、急に言ったのよ。
『彼氏さんとは、上手くいってる?』
って、そうなの、修くんのこといきなり言ってね、わたしはだから、うんって言って、でも訳はわかんなくて、でも、その場でそう言わないほうがよかったのかなぁって、なんでだか思ったの。なんだかね……よくわからないけど……。
うん、それでね、りぃちゃん、なんだか無理やりっぽく笑ってね、
『良かった』
なんて言うの。
なんでだかわからないんだけどね、そのときの夕暮れがね、とっても鮮やかでね、すっごく鮮やかでね、それだけなぜか、くっきり覚えてるの……
ねぇ修くん、これどういうことだと思う? わたしはりぃちゃんのことすき。大すき。いちばん大切なお友達なの。だからね、どうしていいか、わかんなくって……修くん、力を貸して?
わたし、りぃちゃんのこと、ほんとにすきなんだもの……。
・理代子の日記
(深夜の自室にて綴る)
毎日毎日、気が狂いそうだ。
美雪はあの、柔らかい微笑で私を追い詰めていく。『すきだよ』と繰り返し、でもその言葉の中身は、果たしてどれほどのものなのか。
わかっている。美雪には、恋人がいる。修二君は良い人だ。美雪を大切にしてくれている。美雪は修二君のことを気に入っている。でも、私は思う。美雪の恋人が最低で最悪な人間だったらどれほど良かったか、と。
私は美雪のことが、好きだ。好きだっていうと何だか陳腐だ、違う。そうじゃない。美雪のことが、大切、大事、いや、足りない。違う。何と言ったらいいのか、この狂おしい気持ちは。
気が狂いそうだ。本当に。
先週私は、遂にそれを告白してしまった。不覚だった、いや、違う。必然だったのだ。ある種の必然。いつしか私が気が狂うことは必然だ。それを美雪に告白するのも。
美雪はそのとき困ったように笑って、『すきだよ、すきだよ』と馬鹿みたいに繰り返した。本当に馬鹿だ。彼女は何にも解っていない。
本当に何も解っていない。
私がどれだけ、美雪のことを想っているのか。
美雪への想いで気が狂いそうになっているのか。
何も解っていない。
美雪は無邪気に私を好きだと言う。でもそれは、多分私の思う「好き」とは違う。絶対に違う。そして美雪には、理解も出来まい。美雪には、彼氏がいる。
今、私は決心した。
修二君に、会おう。
唐突かも知れない。けれど我慢出来ない。私の知らない美雪の一面を、彼は知っている。そう思うだけで、頭がおかしくなりそう。
話を聞いて、それだけで満足出来るかも知れない。出来ないかも知れない。解らない。何をしでかすかも解らない。理性を保ってられなくなるかも知れない。
しかし、もう構わない。理性を持っていることがこれほど辛いことならば、もう私は、馬鹿で構わない。一種の動物で構わない。
もう、知らない。何もかも。
辛い。とにかく辛い。美雪は今何をしているのだろう。そんなの解るわけない。馬鹿だ私は。ただの馬鹿だ。でも美雪のことが好き。それは本当。ああ、もう、解らない。
・修二の物思い
(夕方、帰り道にて思う)
あーあ、今日はマジで災難だったぜ。それにしても妙な人だよな、理代子さんは。みゆきには悪いけど、ちょっと気味悪い。何なんだろうな、あの人は。
いきなり電話が来て、びびった。みゆきのことで話したいっていうの聞いて、喧嘩でもしたのかな、って思った。電話してくるくらいだし。この間、みゆきがそんなようなこと言っていたし。
正直、ちょっと厄介だなって思った。女の子のゴタゴタって、正直面倒だから。
でもまあ結局はみゆきのため、と思えばさ。そう考えることにして、行ったはいいけど。
理代子さんのあの顔、当分忘れられない。すっごく思いつめた顔していて、思わず大丈夫ですかって訊いちゃったくらい。
最初はちょっとした世間話をしたんだ。でもその間も理代子さんずっとぼんやりしていて、心ここに在らずって感じだった。綺麗な人なのに、勿体ないよな。
まあそれで、少ししてから理代子さん、切羽詰った声で言ったんだよな。うん、あれは忘れられない。
『美雪のこと、教えて』
って。凄く真剣だった。何て言うか、目がマジだった、あれは。
美雪のことなら理代子さんよく知ってるでしょって俺は柔らかく返したんだけど、理代子さん引かないんだよなあ。言い方悪いけどしつこいっていうか。知りたい知りたいって、粘るんだよな。
でもさ、そんなの何話していいかわかんないじゃん。それで尋ねたら、
『美雪に関して、知ってること全て』
って、乗り出すようにして言ってきて。あれは正直怖かった。何つうか、目がほんとマジでさ。ぎらぎら光ってたよ。
まあ、だから俺、とりあえずいつものみゆきの様子とか話したんだよな。理代子さん真剣に聞いてて、まあそこまではいいんだけど、俺ちょっと気になってたんだよな。何で今日、俺が呼び出されたのか。だからさりげなく探り入れたんだ。理代子さんみゆきと喧嘩でもしたんですか、って。したら何つーの、顔面ソーハク?そんな感じになって、真っ青になって言ったんだ。
『それ、どういうこと』
って。いやそのままの意味ですよ、この間みゆきがそんなようなこと言ってたから、って言うと、やたら詳細知りたがって、だからまあいいかなって思って全部教えちまったんだ。したら理代子さん、いや、あのときが一番怖かったな、正直。
理代子さん、唇わなわな震わせて、目を見開いて、何つーのかこの世の終わりみたいな顔したんだ。明日世界滅びますよー、みたいな。いや、もしかしたらそれ以上だったかも。
で、まあ、俺はフォローするつもりでさ、みゆきは理代子さんのこと一番の友達だって思ってるらしいですよーって言ったんだ。したら、あれはマジびびった。マジわけわかんねえ。何なんだよって思った。
水、ぶっかけられたんだよな。いきなり、頭から。
ボーゼンとしている俺に、こう言ったんだ。
『ふざけないで。私の方が美雪のことが好きなのよ。私が一番好きなのよ。なのに何で修二君が、修二君がそんなこと知ってるのよ。心を許されてるのよ。一番の友達?ふざけんじゃないわよ。私は美雪のこと、そんな風に思ったこと一度も無い!』
空気、凍りついたね。マジで。店内中、しーんってなった。ほんと、漫画みたいに。
意味わかんなくてぽかんってしてる俺置いて、理代子さん、店出てっちゃったんだよな。会計も払わずにさ。そりゃお代は持つつもりだったけどさ、あんなことされちゃ、払う気も失せるよな。
あーあ、マジで災難な一日だった。
まあいいや。これから本屋寄って、漫画でも買って気ィ紛らわそ。それに夜には、またみゆきから電話が来るだろうしな。うん、そのためにさっさと宿題も終わらそ。そうそう。忘れよ。みゆきにこんなこと言ってもしょうがないし。
・美雪の話(昼間の喫茶店にて語る)
ねぇ修くん、最近りぃちゃんのようすがおかしいの。どうしたのかなぁって思うんだけど、わたし、ぜんぜんわかんなくて……またなにか、思いつめちゃったのかなぁ、りぃちゃん。
なんかね、いっつも暗い顔して、話しかけてもぼうっとしてるの。りぃちゃんりぃちゃんって三回くらい呼んでね、やっと気づくの。でもね、その顔も、どんよりしてて、目にはくまがあるし、眠れてないのって聞くと、
「あんたに関係ないでしょ」
って冷たく言うの。わたし、最初のほうは嫌な気もちになるだけだったんだけど、なんだかそのうちね、悲しくなってきちゃって、りぃちゃんがそんなふうになっちゃったことが、悲しくなってきちゃって……わたし、元気なりぃちゃんがすきなの。だからわたしね、りぃちゃん元気出して、っていつも言うんだけど、そのたびりぃちゃんはね、きってわたしを睨むの。なんだか血走った目で。それでまた言うのね、
「ほっといて」
って。そのときね、目が潤んだ気がしたの、わたしちゃんと見ててね、だからりぃちゃん大丈夫って心配したら、
「だからほっといて」
って言うの。突き放すようによ。わたし、すっごく悲しくなっちゃって、えみちゃん、えみちゃんっていうのはクラスの子なんだけどね、えみちゃんにそのこと相談して、どうしようって話したの。えみちゃんは、わたしともりぃちゃんとも仲よしだから。
えみちゃん、真剣な顔して考え込んでね、
「あたしにもよくわからないけど、色々複雑なんだと思う」
って言ってくれてね、でも結局解決はできなくて、りぃちゃんはようすが変なままなの。わたしが近づくと避けてっちゃうし、それに、よく学校もお休みするようになったし、一緒に学校に残ってくれなくなったし、……
ねぇ修くん、わたしりぃちゃんのことがわからない。すきよ、りぃちゃんのことはすき。でもわからないの、どれだけ考えてもね、ぜんぜん、わからないの……修くん、どう思う?
・理代子の日記(深夜の自室にて綴る)
今日、美雪が恵美と話しているのを見た。
どこまで私を侮辱するんだ、どこまで私を侮辱するんだ、馬鹿にするんだ、舐めているんだ。どうして私を頼らない。どうして私のもとで困惑して立ち尽くさない。どうしてすぐに他人を頼る。そしてあの甘い声を他人にも聞かす。ああ、もう、我慢出来ない。
いっそ狂ったほうがましだと思う。こんな生活生き地獄だ。私は狂いたい。狂いたい。狂いたい。
もう限界が近づいてきている。美雪が残酷なせいだ。私はもう我慢出来ない。
恐ろしいことを考えてしまった。しかし。しかし、許されるのではないだろうか? 神様というものがいるとして、残酷なのは美雪のほうだと認めてくれるだろう。悪いのは、美雪。そう悪いのは美雪。美雪が全て悪い。何も解っていない美雪が悪い。無知は罪だ。知らない顔して私を痛めつける美雪は残酷だ。裁かれて然るべきだ。
私はいつからこんなに穢れてしまったのだろう。
・恵美の物思い(夕方の帰り道にて思う)
美雪ちゃんに相談受ける前から知ってたよ、そりゃ。だって明らかに、最近の理代子ちゃん変だもの。うつろな目して、話しかけても返事よこさないで、それに怒りっぽくなったよねえ。いつでもイライラしちゃってさ。
うん、あたしが今日見たあれ、何だったんだろう。忘れたほうがいいのかな。いや、でも、忘れられない。
あたし今日の部活で、ハードルを片づけに体育館倉庫に行った。あいにく今日は人数少なくて、しょうがない、あたしひとりでハードルは片づけてあげてたんだよね。で、まあ、体育倉庫って無用心じゃない。鍵もかけない、監視カメラもない。人気もないしね。週に一度、うちの部活がハードル出し入れするくらい。ってそれは当たり前か。まあとにかく、あたしはせっせとハードルを運んで奥に入れてた。
そんなときふいに、がたん、って音がした。動物とかじゃありえない、もっとあれは大きな音だよ。人間。誰か人がいるとしか思えない。あたしびびって、でも好奇心とか怖いもの見たさもあって、奥に向かっていった。よからぬことが起こってるんじゃないかってね。
そのときだったよ。
「誰っ」
鋭い声がして、驚いた。だってその声、理代子ちゃんなんだもの。恵美だよ、って笑って返事しながら奥に向かったら、
「来ないでっ」
って、すっごい声で言われた。叫ぶような、悲痛な声だった。あたしびっくりして立ち尽くしてると、
「来ないでっ、来ないでっ、お願い来ないでっ、来ないでっ、来ないでっ……」
泣きながら繰り返すの、理代子ちゃん。あたしその剣幕にびっくりしちゃって、うん、ごめん、ってなぜか謝っちゃって、その場から立ち去った。
何だかよくない予感がするんだよね。直感だけど。おそろしくよくない気がする。何だったのかな、あれ。よかったのかな、ほっといて。あたし、後悔することになるんじゃないかなあとか、根拠もないのに思うんだよねえ……。
・美雪の話(夕方の公園にて語る)
……わたし、信じてたのよ、りぃちゃんのこと……いちばんのお友達だって……だから、あんな狭いところにだって、話があるっていうから、ついてったし、……
……ねぇ、ありえないと思わない? 女の子が女の子のことを好きだなんて。変よ、おかしいわよ。そう言ったらね、りぃちゃんわたしをね、わたしを……わたしの肩をつかんで、押し倒して……
……えっく、えっく、……ごめんね、修くん、ごめんね……わたし、初めては修くんだと思ってたよ……うん、そうだよね、数に入らないよね、……。
……すっごく準備がされてたのよ。ろ、ロープとかね、手ぬぐいとか……ひどい、ひどいわ……えっく……それでね、りぃちゃん、わたしが動けないようにして、声も出せないようにして……えっく……、
ひどい、りぃちゃん、ひどい、ひどい、ひどい、なんであんなことするのよっ、女の子同士じゃない、友達じゃない、信じてたのに、信じてたのに……!
……うん、もう、りぃちゃんには近づかないわ……ぜったい……あんな人だと思わなかった。けだものよ、人間じゃない……あんなの、わたしのお友達のりぃちゃんじゃない……!
……えっく、……えっく、嫌よ、言えないわ、そんなこと、嫌よ……お父さんとお母さんになんて、ぜったい言えない。警察の人にだって、おかしいって思われちゃう……だって異常よ……頭がおかしいのよ……えっく……。
ひどい、ひどいわ……りぃちゃん、ひどい……なんで、どうして……。
・理代子の日記(深夜の自室にて綴る)
やった。私はやり遂げたんだ。美雪を私の物にした。私はやったんだ。そうだ私はやった!
美雪の脅える表情、震える身体、懇願する瞳、忘れられない。一生忘れられない。一生の私の宝だ。美雪のその姿を私は知っている。私は知っている。私は知っているんだ。
例え罪人として裁かれようと構わない。私はこれだけで満足だ。
美雪のことは、大切だ。それは決まっている。
しかし美しすぎる物というのは壊したくなるのだ。粉々に、滅茶苦茶に、踏みつけてやりたい、そして私はやった、あの美雪の表情! ああ、快感だ!
私はやった!美雪のことを思い出すだけで熱く胸が震える。美雪は、美雪を、私は、やった、やった!
ああ可愛い。どうして美雪はあんなに可愛いのだろう。いとおしい。私の美雪。美雪、美雪、美雪。
私の烙印は一生消せない。美雪は私の物だ。ずっと、永遠に!
ああもう私は頭がおかしいのだろう。全然構わない。狂人で構わない。美雪のあの姿さえ覚えていられるのならば、もうどうだっていい、
美雪、美雪、美雪、大好きだ。
・井戸端会議(朝の公園にて語りあう)
「ねえねえ、聞きました? 須藤さん家の理代子ちゃん、事件を起こしたって」
「そうそう、下手したら少年院に行くって言うじゃない。そんな風に見えない子なのにね」
「大人しそうで、礼儀も正しくて、いい子だったじゃない」
「しかも被害者の子が女の子だっていうから驚きよね。今の子って怖いわあ」
「女の子と付き合ってた男の子が通報して、事件がわかったのよね」
「勇気あるわよねえ」
「でもやっぱり、いわゆる普通の子って怖いのね。ああ、うちも気をつけなきゃ。女の子が女の子を襲うなんて、冗談じゃないわ。すごい世の中になったこと」
「ねえ、ほんとに。おぞましいこと」
「ねえ。怖いわあ」
「あら、私そろそろ行かなくちゃ。じゃあまたねえ」
「あら私も、またねえ」
「またねえ」
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