極彩色の私の色は
「
学級委員の
だから私は、視線を机の上に戻して無視する。イヤホンから流れ出る重く激しいギターに聴き入っているふりをする。明るい花火がぱっぱと飛び散る、この音楽はそんな印象。
「なに色でもいいの。赤とか青とか緑とかみんな思い思いに書いてるよ。ねえ、丹波さんの好きな色、教えてもらえないかな?」
「なんでそんなこと教えなきゃいけないわけ?」
私はイヤホンを片耳だけ外して、林原を睨みつける。あくまでも強気に、威嚇するように。この内心の、ゆらめくひだのような曖昧な動揺を悟られてはいけない。ぜったいに、いけない。
「アンケートなの」
林原は、ふにゃりと笑う。私は舌うちしたくなる、これだから嫌なのだこいつは。「来月の修学旅行に向けて、しおりをつくってるの。それで、みんなのプロフィールを載せようってことになって、」
「知ってる」
私はきつい声で、林原の無駄な説明をさえぎる。林原はひるんだように身を引くが、その整った笑顔は崩れない。私は吐き捨てるようにして言う。
「アンケートなら出したじゃん」
「うん、出してもらったんだけど……」
「なに」
「ええと、空欄なんだよ、ね」
確認するように、林原は言う。その気づかうような顔にやっぱり絵の具を投げつけてやりたい、私はそう思いながらもきちんと言葉で対応してやる。
「書きたくないんだけど。個人情報とかプライバシーとか、そういうのってこのクラスにはないわけ?」
「えっ、いや、その……」
「いいじゃん空欄にしといてよ。林原さんならそんくらいできんでしょ」
私はそう言うと、イヤホンをふたたび耳に突っ込み有無を言わせない勢いで教室を出て行った。背中にひたひたと林原の視線が吸いついている気がして、私はふだんにもまして乱暴に廊下を歩いた。
私は思う。
だって、言えるわけないじゃん。
廊下の茶、スカートの緑、空の青、髪留めの赤、キーホルダーの黄、色、色、色、世界には色があふれている、もういらないってくらい飽和状態じゃんってくらいにあふれている、私はそれがときどきすごく嫌になる、嫌になって、それはそれは嫌になって、鮮やかな世界なんて果てしないって、愛せないって、たまに思う、でも、こんな鮮やかな世界が大好きだって、ぜんぶぜんぶひっくるめてとってもきれいだって、色っていうのはなんてふしぎでよくわからなくってうつくしいものなんだろうって思ったりも、する。
色のあふれた世界。
そのなかから、一色だけなんて選べるわけない。
放課後の喧騒にまぎれて、私は小さくつぶやいた。
「……言えるわけ、ないじゃん」
好きな色が、ないなんて。
みんな、これという色を身につけている。黒で固めるひともいれば、ピンクの小物ばかり持つひともいるし、やたら青色の服を着ているひともいる。一色の鎧をまとった彼女たちは、ほんとうに誇らしげに見える。
うらやましかった。好きな色だけに囲まれて、好きな色だけを吸い込んで、好きな色だけと仲よくしている彼女たちが。
私も、唯一の色が欲しい。
何度そう思い、何度好きな色を選んできたことだろう。きょうは赤色、あしたは青色、あさっては黄色……あのときの私は、わかってなかった。選ぶ、という考えそのものがそもそも間違っていたことを。
私の部屋にはいろんな色が、赤色のブレスレットや青色のくしや黄色のブレスレットなんかが見る見るうちに溜まっていった。私はよく寝る直前に、勉強机の上に並べたそれらをベッドに寝転んだまま眺めた。色たちはいつだって、臆することなくそこにあった。どの色も、きらきらと輝き生き生きと息づいている。こんなの、とても、選べない。だってどれも素晴らしい、選ぶことなんてできるわけない。私は毎晩そう思い、いとしさとせつなさを噛みしめるのだった。
そして、ある日思った。
選べないなら、選ばなければいい。私は、色を愛している。こんなにも愛している。ふつうのひとは一色せいぜい二色しか受け入れることができないだろうけど、私は違う、いろんな色を、とりどりに鮮やかな色たちをみんなみんな受け止めてみせる。赤や青や黄色や緑や紫やいっぱいいっぱい、私の大切な色たち。毅然とそこにありつづけるそれらを、私はそれぞれ愛してみせる。
そう決めてから、私はたくさんの色を身につけるようになった。
でも、やはり。
ひとつの色だけを愛せないことを、私はときどき苦しく思う。
次の日の朝、登校するなり林原が声をかけてきた。
「あ、おはよう、丹波さん……」
「なんか用?」
どかんと席に座る私の声は、すさまじく不機嫌に響く。林原はひるみかけて、でも、すぐにあの笑顔をつくって言う。
「好きな色なんだけど、どう?」
「きのう空欄でよろしくって言ったじゃん」
「うん、でも、そういうわけにもいかなくて……ねえ、丹波さんって、すっごくセンスいいよね?」
私は眉をしかめる。センスがいい? こうしてたくさんの色を身につけるようになってから、センスが悪いとは言われても、いいと言われることはなかった。じっさい私は全体の印象よりも、個別の色を大事にしているのだからしょうがないって、そう思って気にしないようつとめていた。なに、こいつ、さては、お世辞か。
私の表情に気がつかないのか、林原は両手をあわせてきゃいきゃいと話す。
「私ね、思ってたんだ、丹波さんってセンスいいなあって。なんて言うか、それって丹波さんにしかできないセンスだと思う。ほらきょうも、赤と緑とオレンジなんて、私なんかがやったら趣味悪くなっちゃいそうだけど、丹波さんすっごく格好いいもの」
「……お世辞?」
「違うよ」
林原は、びっくりしたように手を振る。漫画じみたしぐさは、しかしきょうに限ってふしぎと不快ではない。
「丹波さんって、すごいなあって私ほんとに思ってるの。ほら、私なんかだと、白とか茶色がせいぜいなんだよね……でも丹波さんは、なんて言うかなあ、ひとつひとつの色の特徴とかちゃんとわかって、着こなすのが大変なのもわかってて、でもあえて! って感じが出てていいんだよね。私、すっごくいいなあって、なんかね、すっごくあこがれちゃうって言うか、」
林原は、勢い込んで続ける。
「なんか、丹波さんって色を愛してるーって感じするよね!」
思わず、息を呑んだ。
こんな、まさか、色のほとんどないような、いい子でまじめな学級委員に、私の心の奥底が、私のとっても重たい秘密が、見抜かれてしまうなんて。
急に、林原が色づいたような気がした。私の世界で、きらきら輝く――。
でも私はあくまでも、まったく平気なようにして言う。
「……べつに、林原だって赤とか緑とか着ればいいじゃん」
「ええっ、私なんて無理無理!」
林原は笑う。その笑顔は、ふだんと比べるとつくりものじみてない気がする。
「地味だもん、私。似合わないよ」
「……着てみなきゃ、わかんないでしょ」
私は林原から目を逸らして言う。林原にはなに色が似合うのかなあなんて、考えはじめそうな自分がわずらわしかった。
「……そうかな」
降ってきた声は、どことなく嬉しそうだった。
「ねえ、丹波さん、ひとつ聞いてもいい?」
「なに?」
言った声は必要以上にきつく響いてしまって、いけないこれじゃあ照れてるみたい、と私はあわてて平常心を意識する。
林原は、はにかむようにして言った。
「私には、なに色が似合うと思う?」
……知らないに決まってんじゃん、そんなの。
とは、言えなかった。なぜだか。
その日の放課後、私は林原にアンケートを提出した。わあありがとう! と喜ぶ林原にぶっきらぼうな言葉を返しながら、やっぱりポップなピンクかな、いやあんがい落ち着いた紫なんかも、なんて考えている自分がいよいよいまいましかった。
だってこれは仕方ない、のだ。
色を、愛してる。
それこそ私がつらぬき続けて、そしてきっと、認めて欲しい想いだったのだ。
林原は、いったいなに色が好きなのだろう?
来週には配布されるというしおりをひそかな楽しみにして、私はいつも通り派手な友人たちとつるんだ。修学旅行が京都ってありえねー、とか、あの雑誌のふろく地味じゃね? とか、口先ばっかりのおしゃべりに興じた。つーか丹波相変わらず派手すぎ! うちらから見てもけばいっしょ! とか言われても、ふだんと違って心は波立たなかった。私が心のなかでこっそり林原をコーディネイトしてるなんて知ったら、目の前でだるそうにマニキュアを塗るこいつらはいったいなんと言うだろう。
気がついたら、林原を目のすみで追っている。追うまい追うまいと思っても、やはり感情は正直なのだった。
私はこの一週間で、林原が毎日白いセーターを着ているということを知った。
待ち望んでいたしおりは、私にとって凶器だった。
しおりが配布されたその日、じれったくもどかしく思いながら私は冊子をめくった。タイムスケジュールとか持ちものとか、そんなんどうだっていいんだよ、早く、早く、プロフィールのページが見たい。相川、相原、井野、違う、こんな最初のページじゃなくって、林原、あ行、か行、ぶっ飛ばしてな行に入る、そしてあった、は行の、林原――。
好きな色、なし。
なし。
その細く薄い手書きの二文字は、否応なく目に飛び込んできた。
最初は、なにかの冗談かと思った。だってあんなに好きな色を書けと私に言った林原だ、それがどうしてなんだって、なし、なんて書くんだ。書くわけがない。
おどろきのあとには、激しい怒りがやってきた。
なし、でよかったのか。そんな淡白で簡潔で色に無関心で、失礼な、答えでもよかったのか。なんだ、それじゃあ私、馬鹿みたいじゃないか。まるで馬鹿だ。ああ、そう、林原なんかに好意を抱いた私が馬鹿だった。私の時間を返してよ。私の心の、大事なものを返してよ。
感情で震えるという経験を私ははじめてした。
「丹波ぁー」
遠くの席から、いつもの仲間たちがにやにやとしながら私を呼ぶ。
「なにこれ、丹波の受けるんだけどー。好きな色とかさ、なにこれ、」
「うるさい」
吐き出した声は、自分でもびっくりするほど低く地を這っていた。彼女たちは、いや教室じゅうがしんとしずまる。
私はもう引っ込みがつかなくなって、続ける。
「やかましい。つかうるさい。ちょっと黙って。つかなに? そんなに私の色彩感覚がおかしいわけ? 私からしたら、」
私からしたら、気分でころころ好きな色を洋服みたいに着替えるあんたらのほうがおかしいよ。
でも、そこまで言ってやる気にはなれなくて、私は無言のまま、椅子を蹴って教室を出た。もう、取り返しはつかなかった。私が廊下に足を踏み入れたとたん、はぁーっ、丹波わけわかんねーっ、という声が私を追っかけてきたけれど、私は駆けた、ひたすらに駆けた、とにもかくにも、だれもいない場所に行きたかった。
だん、と上履きの底で床を叩いてやった。この感情は、いったいなに色なのかわからない。ぐちゃぐちゃごちゃごちゃ混ざり過ぎてて、もはや色と呼びえない。
林原は、教室を出て行った私を見ていただろうか。
私は、アンケートにこう書いたのだ。
好きな色――すべての色。
ひと気のない場所へと足を進めてゆくと、裏庭に行き着いた。茶色と黒と深緑で構成されている、地味でぱっとしない場所。でも、ひとがいないってだけでいまの私にはじゅうぶんな居場所だ。私は、錆びかけているベンチに腰をおろした。
いい加減、認めてしまおう。世界の色すべてが好きなんて嘘だ。すべての色を愛することなどできない。すくなくとも私にはできない。だってこの感情の色とか、仲間たちの執着する色とか、林原の、色とか、私はやっぱりどうしても複雑でなんとなく遠ざけてしまう。でもすべての色を愛したいっていうのはほんとうなのだ。それは、混ざりけのない、ほんとうなのだ。
愛したい。
でも、愛せない。
ひとつの色も、すべての色も、愛しきれない私はいったいどうしたらいいのだろう。
両手で、顔をおおった――そのときだった。
「丹波さん!」
顔を上げた。
裏庭の入り口には、林原がいた。ひざを押さえ、息を切らしている。
「……なにしに来たの」
敵意をたっぷり込めて、私は言ってやる。
「だって、丹波さんいきなり出て行っちゃうから……みんなびっくりしてるよ。教室戻ろ?」
林原は言いながら、ベンチのほうに歩み寄ってくる。疲れの出ていた顔はしかし、しだいに笑顔を取り戻してゆく。
「……なんでそうやって笑えるのよ」
「え?」
丹波は、歩みを止めた。
「もとはと言えばあんたが悪いんでしょ! 私を裏切ったくせに!」
立ち上がりこぶしを握って叫んだその声は、りん、と裏庭じゅうに響きわたった。林原は笑顔を消し、訝しげな顔をする。私は続ける、もう止まらない、止められない。
「あんなに、好きな色を書いてっていうのは、いったいなんだったの……わけわかんない、意味わかんない。あんただっていっしょじゃない、結局好きな色なんてないんじゃない。なのに、どうして、空欄は駄目とか言って、」
「丹波さんなんか誤解してる」
林原の声はあまりに淡々としていて温度が低くって、私はぎょっとして言葉を止めた。林原は、無表情だった。見事なまでの無表情。こんな林原の顔、いままで見たことがない。だって林原はいつだってへらへらと笑っていて、ふにゃっと苦笑するのがせいぜいで……。
「説明するよ。私はね、空欄が駄目だって言っただけだよ。好きな色がないのが駄目なんて、ひとことも言ってない。私が好きな色ないって書いたのが嫌だったの? でも、そうだよ、丹波さんの言ったとおりだよ、」
林原は、皮肉っぽい笑みを口もとにたたえた。
「ひとには秘密ってものがあるから」
「……じゃあ!」
ひるみそうになる自分を必死に抑え、私はなおも食い下がる。
「じゃあ、あれも嘘だったの? 私にあこがれてるっていうのも、センスいいねっていうのも、ぜんぶ嘘? だとしたら最低。そうやって私の心をもてあそんで、」
「ほんとうだよ」
林原は、しずかに私を肯定した。
「あれはほんとう。あんな派手な色、つかいこなせるの丹波さんしかいないよ」
「林原だって似合う、きっと!」
私はもう、自分がなにを言っているのかわからなくなってきている。心の奥底の奔流が、あふれでてほとばしって林原のもとに向かう。
「私、いろいろ考えた、林原にはね、なに色でも似合うよ、なに色が似合う? って聞いたじゃん、それで、林原は似合うよ、なんでも、似合うんだよ、これほんとだから、私が言うんだからほんとだから……!」
「疑ってないよ」
林原は、いつくしむように苦笑する。
「うん、その通りなんだ。私って、わりとなに色でも似合っちゃう」
「でしょ、ほら、だから、」
「でもそれって、なにも似合わないのといっしょなんだよね。なんにでもなれちゃうの。なに色にも、染まってしまえるの。だからね私は、私の色は、ううん、私の好きな色は、」
そして、林原は、いつものように完璧に笑う。
「透明」
とうめい――。
私はその衝撃的な色の名前を、口のなかで繰り返した。
なに色でもない。なに色にも、染まってしまえる。なんにでも、なれちゃう。
……そうか、そういう、ことなのか。
透明、私はその色で、すべてを了解した。私のいままで知らなかった色。でも、確かに存在する色。
丹波はそんな私に気づかず、続ける。
「ね、でもそれって、ないのといっしょってことでしょ? だって、なんにでも染まれちゃうんだもん。なに色でも、ないんだもん。だからあのしおりの答えは、いいんだよ、あれで」
「……違う」
「え?」
「だって、それって、私も透明ってことだもん」
言った瞬間、ふたたび林原の表情が消えた。
「って言うかいま気づいたんだけど。私もなんでも似合うよ。それに好きな色ばっかりで、どれがとくべつって決められない。周りはどんどん自分の色を決めていくのに、私だけはどれもとくべつな色にできない。だからもう、ぜんぶ取り入れてやろうって決めた。ぜんぶ、とくべつにしてやろうって決めた」
「それであんな派手なんだ……」
「そう。めちゃくちゃな色づかいだなんてわかってるよ、わかってるけど、でも、そうするしかなかった。だからきっと、」
私は言う。茶色と白と紺しか身につけていない、自分と対極だと思っていた同類に言う。
「私たちは透明人間なんだ、どの色も好きになれなくって不安定で不安で。それで私は派手な色を身につけて、林原は地味な色を身につけて、そういうことだ、きっとそういうことだよ」
林原はしばらくぽかんとして私を見ていたが、やがて声をたてて笑いはじめた。けらけらと、けたけたと、とても楽しそうな林原の笑い声。林原が声をたてて笑うなんて、私ははじめて知った。
「丹波さんって、面白い」
林原は笑いすぎたのか、涙を指でぬぐって言った。その表情はとても自然で、いままでみたいにつくりものじみていない。
「そういう発想ね、私、なかった……丹波さんのこと、ちょっと奇抜だけどセンスもスタイルもいい、おしゃれなひとっていうふうしか見てなかった。透明なのは、うん、そう、絵の具をかけられて染まりきってしまうのは私だけなんだと思ってた……でも丹波さんのその黄色い髪留めも、赤いイヤリングも、青いブレスレットも、ぜんぶ、丹波さんが透明だから着こなせるものだったんだね」
それを聞いて、私は思いついた。
私は黄色の髪留めを外しながら林原に歩み寄り、なおもくすくす笑ってる林原の、そのおさげの髪の上に無理やり髪留めをつけてやった。きょとんと私を見る林原の、頭のてっぺんに留まった黄色い蝶々はあんがいやっぱりとってもしっくりきていた。
「……ほら、似合うじゃん」
自然と、ほくそ笑んでしまう。林原は、そう? と言って嬉しそうににっこりとした。
そのタイミングで私は、林原のおさげをつくっていた茶色いゴムをふたつ同時に外してやった。さすがに林原は、びっくりした顔で私を見つめる。
「透明なら、なんでも似合うから」
私は笑う。林原に向かって、はじめて笑みを向けてやる。
「髪型を交換したって、きっといい感じでしょ」
言うと、私はゴムを口にくわえてじつに数年ぶりのおさげをつくりはじめた。林原はやっと意味を理解して、なるほどね、と感心したようにうなずいて乱れた髪を直し始める。長い栗毛を垂らした林原は、意外なほどに大人びて見えた。
「学級委員の名がすたるね」
そう言った林原は嬉しそうだったから、私はこう返してやった。
「私こそ、派手の丹波の名がすたる」
この世界には色がありすぎるのだ。どれも素敵、どれも魅力的、それで結局決められない。
だから私たちみたいな、透明人間が生まれてきてしまうのだ。
でももしかしたらほんとは、みんな透明人間なのかもしれない。ほんとは透明なんだけど、無理やりに色をかぶって染まっているだけなのかもしれない。
そう思うと、私はこの世界を、色とりどりなこの世界を、もうちょっとだけまるごと愛してもいいかなって気になる。なんて。
おどろきに沸いた教室は、いつもよりもカラフルに見えた。
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