第14話 らぶらぶデート3
食事が終わりショッピングがしたいと新菜が言ってきたので、大きなショッピングモールへとやってきた。
「洋服でも見たいのか?」
「さっき言ったじゃん。えへへ」
なんだか少し嫌な予感がしてきた・・・
ショッピングモールの中にはかわいい洋服屋さんがあったり、雑貨屋さんがあったり、アクセサリーや靴屋さんなどおしゃれをするなら何でも揃っている。
エスカレーターで上の階に行くと「ミドリスポーツ」という、サーフィン用品や洋服などを多く取り揃えているお店があった。
「クイズ~!サーフショップといえば?」
「海?」
「海と言えば~?」
「日本海?」
ずるっ!っとこけたふりをする新菜。うんボケた感じも可愛いな。
「荒波か!演歌とかじゃないんだから!まじめに答えてよ!!水着でしょ!み・ず・ぎ」
そんなやりとりをしていると近くにいた小麦色の肌をしたサーファーらしき店員さんが寄ってきた。
「水着でしたらこちらのほうですよ」
俺たちふたりを女性用の水着コーナーへと案内する。
「最近はこのデザインとか人気ですよ。すごく肌がきれいだし白いからこの色なんか着たら彼氏がさらにメロメロになっちゃうかもですね」
アドバイスと爆弾発言だけしてどこかへ行ってしまった。
『なに!?彼氏?いつのまにか彼氏でもできたのか!聞いてないぞ!・・・ん?』
「お兄ちゃん・・・彼氏だって・・・」
小さく呟きながら真っ赤な顔して耳まで赤くなってる。俺の事?なんだよ脅かすなよほんと。
落ち着いてきたら急に俺も恥ずかしくなってきた。誤解なのに。
新菜は水着を3つ手に取ってどれがいいか悩んでいた。
「どれがいいと思う?」
「どれも似合うと思う」
まともに水着を見れずに目線を落として答える。
そこへサーファーギャル・・・じゃなくて店員さん登場。
「ご試着ですね。それではこちらへどうぞ。お連れさまもどうぞ」
あれれ?なんだかおかしいぞ?なんで俺も試着室に押し込まれてるの?罰ゲーム?ご褒美?どっち?
うわああああ。どこの世界に妹と試着室入るアニキがいるんだよ。
最近はカップルで試着室に入る事も多いらしい。
勇樹はもちろんそんな事知るはずもないが。。。
「じゃ、じゃあ着替えるから後ろ向いててね」
いいのかよ!着替えるのかよ妹よ!すごく複雑な気持ちだ。。。
こんな密室で、しかも後ろでは生着替えしてる妹がいるなんて。
「い、いいよ。ど、どうかな?」
白地にハイビスカスの赤い柄が描かれたビキニタイプの水着だった。。。と思う。
照れてる新菜の白い肌にこれでもか!ってくらい清楚なイメージで綺麗だと目を奪われてしまい水着に集中などとてもできなかったのである。
「やばい」
「え?やばいって?お腹出てる?」
急に焦りだす新菜だったがそうではなかった。
この間まで中学生だった妹はやっぱり幼さがあり、兄として可愛いと思っていたのだ。
それが高校生になると急激にいろんなところが成長しているらしく、すっかり女性の体つきになっている。こんなの他の男子に見せたらほんとイチコロだろ。
思わずやばいと言ってしまったのである。
「いや、すごく大人っぽくてやばいって。可愛いくて綺麗で似合ってるよ」
「な、なに妹にお世辞言ってるの。可愛いのか綺麗なのかわからないよ」
でも勇樹の反応を見て大満足だったのか、この水着に決めたらしい。
今年の夏が楽しみだとお互いに思いながらふたりのらぶらぶデートは終了した。
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