十三年前 十二歳
得体のしれない機械生命体に町が襲われていた。僕は、転入生の真木 雄二と一緒に最寄りのシェルターに向かっていた。
近くのビルが被弾し、破片が僕たちに向かって降り注いできた。
もうだめだっと思い目を瞑った瞬間、来るべき衝撃が来ないことに気付いた。
目を開けると見上げえるような大きいロボットが僕たちを守るようにして立っていた。
突然のことに動けない僕たちに向かって、巨大な手を差し出してきた。
そして、巨大な手に包み込まれ、いつの間にか開いていた胸部装甲の中に押し込められた。
「僕はもう戦わない! まだ僕は死にたくないんだ!」
通信機から出動要請が盛んに鳴り響いていた。
前回の戦いで装甲を切り裂いた攻撃に、あと少し回避が遅れれば死んでいたという事実に恐怖を感じ、布団をかぶり現実から目を背けていた。
いつの間にか、通信機は鳴りやみ、テレビのニュースが流れていた。
町の中心部に敵が現れたようで、その様子をニュースで流していた。ふと視界の端にテレビが、その中に母親と妹そして、明日香が避難する人たちと共に映っていた。
それを見た瞬間、気付けば通信機をつかんで相棒であるロボットを呼んだ。
「どうして、雄二のお母さんが敵にさらわれなきゃいけないんだよ。」
敵を倒し、G.O.G基地に戻ってきた僕たちに、副指令が敵のパイロットにさらわれたと伝えられた。
雄二のお母さんが、実は20年前に暴走し人間を駆逐することを第一優先とする、マザーコンピューターに故郷の星を追われた宇宙人で、敵のパイロットは洗脳された父であること。洗脳の過程で、我々人類が彼女をさらい、人質として拷問をしていると植え付けていること。今回の戦闘が 陽動であったことなど、細かい事情説明を受けた僕たちは、信じられないような事実に、現実を飲み込めずにいた。
僕はあまりの理不尽さに憤り、思わず叫んでいた。
「こんなことで家族が傷つけあうなんておかしいよ。雄二、お母さんを、いや、二人を助けに行こう。」
数時間後、僕たちは敵基地へと向かい出撃していた。
ようやくたどり着いた敵の本拠地で、強化外装を纏ったマザーコンピューターに、ワクチンを注入すべく、右腕に仕込んだパイルバンカーをコアに向けて打ち込んだ。
「人は変わっていけるんだ! 信じて力を合わせてどんな困難も乗り越えていけるんだ! 僕たちの未来を奪わせはしない!! リボルビングブレイクバンカー!!
貫きとどけー!! 」
僕たちの思いが通じたのか、コアに到達したワクチンが機能し、マザーコンピューターを正常化していった。
「こちらスタークスアイゼン、将兵、雄二より司令部へ、マザーコンピューターの正常化を確認。これより帰還します。」
「こちら司令部。確認した。ありがとう君たちのおかげで地球は救われた。気を付けて帰還してくれ。」
司令部への通信を終えると、僕たちは、地球へと帰還した。
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