ラストステージ
@lmv314
プロローグ
十五年前 十歳
『我は、マーリン。星の意思の代行者である。先の戦いでエネルギーが付きかけている。傷を癒す間、少年よ、我に代わり悪しき者共と戦ってはくれないか。』
僕の目の前に親指くらいの大きさの七色に輝く透明なクリスタルが現れた。
『このタリスマンが共に戦う勇者へと導く。彼らを眠りから目覚めさせ、星を守ってほしい。』
タリスマンに導かれた先で、僕の目の前に光の玉が青く優しく光りながら浮かんでいた。
『君が新たな守り人か。私は君と共に戦う盟友となろう。』
光りの玉が明滅しながら、語り掛けてきたと思ったら、一際激しく輝き近くにあった車を包み込んだ。光が収まった後には、もう一台車が現れていた。
ボーっと見ていたら、増えた車が変形してロボットになった。
『私は、カイザー。君の指揮下に入ろう。』
「ねぇ、カイザー。ぼくに地球を守るなんて、イビルサタナーを倒すなんて出来るのかなぁ。」
だんだんと激しくなっていく戦いの中、不安が膨らみ自信がなくなってしまっていた。
『心配いらない。君には勇気が、恐怖に打ち勝つ心を持っている。君なら出来ると私達は信じている。それに、君と共に戦え得ることを誇りに思っている。』
『グレートカイザーフィニーーーーーッシュ』
満身創痍のカイザーが、渾身の力で光り輝く巨大なソードを振り切り、イビルサタナーの巨体を一刀両断した。
『『オノレ、オノレ、コノヨウナ者共ニ我ガ、我ガ敗レルナド、断ジテ認メヌ。ミトメヌゾォォォォォォォォォォ』』
そんな断末魔の叫びを残してイビルサタナーは消滅した。
「これで、地球は守られたんだね。カイザー。」
僕は喜びを胸にカイザーを見上げた。
『ありがとう。君のおかげで星は守られた。君に良き未来が訪れんことを願う。』
「急にどうしたのさ、カイザー。」
胸騒ぎがした。別れを告げられる予感がした。
「これからもずっと一緒にいてくれるんだよね。戦いが終わったんだ。これからは楽しいことを、これまでにしたことのなかったことをしようって約束したじゃないか。」
『すまない。どうやら私たちのエネルギーが尽きようとしているようだ。
私たちは再び眠りにつかなければならない。だが、私たちはこの星のすべてに宿り君を見守っている。もう別れの時間だ。今までありがとう。さらばだ。将兵。』
「カイザーーーーーーーー!」
こうしてイビルサタナーの脅威は去った。小さな勇者と仲間たちの手によって。
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