第53話 ジョンの聖地
「ミッチー!タカ!」
ジョンは飛騨領の長女、ミチコのことを親しみを込めてミッチー、美濃領の次男の隆のことをタカと呼んでいる。
「おはようジョン」
「昨日の町おこし研究会は面白かった!あの作品全部がミッチーとタカの領地が舞台だったんだな!」
「知ってる人は詳しいけど興味ない人には全然知られていないのよ。伝統的な街並みも保存されているから国内よりも国外からの観光客誘致に力を入れているの。ジョンの意見や反応はとても参考になったわ」
飛騨領のミチコは将来、領地を継ぐため領地の運営に熱心だ。
「ジョンは俺より熱心だよなあ」
「タカは地元が舞台のアニメに興味がないのか?」
「もちろん無くはないよ。でも俺は音楽の方が興味あるんだ」
「隆は自分でギターも作るのよ」
「それは凄いな!」
「でも演奏するのはベースの方が好きなんだ。俺は領地を継がないから学校を卒業したら欧米のライブハウスでも演奏してみたいと思ってる」
「そうなのか!絶対にニュージャージーにも来てくれよな」
この言葉通り隆は学園を卒業後、欧米に渡ることになる。もちろんニュージャージーへも演奏で訪れたが、縁があってロンドンでメンバーを集めてバンドを組み、このバンドで成功をおさめてツアーで日本へ帰ってくることになる。
「タカの成功を祈ってるよ」
「サンキュー、それよりもジョンは俺よりもアニメ作品を観ているよな」
ジョンはゲームの『戦国BASSARI《バッサリ》』も大好きだし、アニメ映画の『君と僕の名前』や『聲と音の形状』も大好きだ。もちろんテレビアニメの『氷菓子』は全話視聴したし原作コミックも日本語で読んだ。
「帰国する前に聖地巡りをしたくなったよ。それに昨日、写真と映像で見せてもらった伝統的な街並みも素晴らしいな!」
「是非来て欲しいわ」
「俺も案内したいな。俺はやっぱり冬がおすすめだ」
「そうね、暮らしていくには大変なんだけどねえ。昔は濡れたタオルを3回も回せば、そのまま立ったなんて言われているのよ」
「ミチコの領地の方は雪がかなり降るからな」
「雪で怪我をする人が出るのは全国であることよ、仕方ないわ」
2学期の期末テストが終わったら試験休みに遊びに行く約束をした。短期留学を満喫するジョンだった。
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