第54話 格闘遊戯、関西大会
真太郎とジョンと高雄のグループはカードゲーム『格闘遊戯』の予選を順調に勝ち抜いている。
真太郎とジョンと高雄の3人は『格闘遊戯』の他に釣りが趣味という共通点があり、仲の良いグループだ。
高雄は出羽領の長男で、高雄が釣りに目覚めたきっかけは領地出身の漫画家の作品『釣り好き三平』だ。高雄の勧めで真太郎とジョンも『釣り好き三平』のファンになった。
3人がすでに突破してしているのは国内公式大会の「店舗代表決定戦」と「ブロック代表決定戦」だ。
これらをを勝ち抜いた者が「日本代表決定戦」の地区大会に進む。3人は学園が大和にあって大和在住なので関西大会に進んだ。
関東大会と関西大会の上位2グループずつ、計4グループが世界一を決める世界大会に出場出来る。
ちなみに個人戦も同じ仕組みだ。ジョンだけが個人戦にエントリーしており、ジョンは個人戦でも関西大会に出場権がある。
関西大会は明日の日曜日に開催されるので前日の今日は3人で近場に釣りに来ている。大会前日はゲームのことを忘れて共通の趣味の釣りでリラックスする約束なのだ。
「高雄、引いてるぞ!」
「む!これは大きいな」
3人はゆったりと釣りを楽しみ、釣った魚を高雄の屋敷で3枚におろしてもらって持ち帰った。
真太郎は清にお裾分け、ジョンはヒロの屋敷に持ち帰って桜子を夕食に招待して喜ばれた。白身の魚はコバたんも喜んで食べてくれた。
「とっても美味しいわ。大漁だったのね」
「クポー!」
「ああ今日は良い釣り日和だった」
緊張感ゼロなジョンと真太郎と高雄は美味しく夕飯を食べてよく眠り、最高の体調で関西大会を迎えた。
「清!」
「桜子、ヒロ」
関西大会には清と桜子とヒロも応援に来た。待ち合わせた場所も混み合っていてなかなか会えなかったほどだ。
「凄い人ね」
「そうね、この中を勝ち抜くのは大変そう」
「勝つさ」
「ヒロ?」
「あいつらが予選で負ける訳ないよ」
「ヒロがそう言うと本当に勝ち抜く気がするわ」
「だって、あのジョンだぞ。あいつは子供の頃からゲームというもので負けたことがない。俺だってかなり強い方だったのに初めてオンラインゲームで負けた相手はジョンだった。俺はジョン以外の誰にも負けたこと無いからな。ジョンにだけは勝てたことが無いけど」
「真太郎と高雄さんは格闘遊戯で何度かジョンに勝ったって言っていたわ」
「その3人が集まって予選敗退はあり得ないだろう?」
「そうね…」
「今日は俺たちも観客として楽しもうぜ」
ヒロの予想通りジョンと真太郎と高雄は危なげなく勝ち抜いて世界大会への出場権を得た。今は真太郎と高雄も桜子たちに合流してジョンの個人戦を応援している。
「強過ぎて可愛げが無いな」
「ヒロったら」
「まあ心配無いよね」
「そうだな」
真太郎と高雄も特にコメントは無いようだ。
「勝ったぞ!」
「おめでとう」
「良かったな」
「世界大会は冬休みだったか?」
「ああ、終業式の後でクリスマス前だ」
「試験休みは飛騨領と美濃領で観光だったな?」
「憧れの聖地巡りだ!」
期末試験が終わったら聖地巡り、終業式、世界大会とイベント続きで楽しそうなジョンだった。
「せっかく大阪まで来たんだし予選突破のお祝いも兼ねてたこ焼きとお好み焼きを食って帰ろうぜ」
「お土産に駅で肉まんと焼きたてチーズケーキとバウムクーヘンブリュレも買いましょうね」
「桜子が食べたがるものを一緒に買うとハズレが無いよな」
「真太郎ったら褒め過ぎよ」
「私もお姉ちゃんに桜子がオススメする美味しいものを買ってきてって言われているの」
「バウムクーヘンブリュレは
世界大会だろうが地方予選だろうが、いつも通りの桜子たちだった。
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