第43話 初めての放課後デート
「美味しいわ!」
「完売じゃなくて良かった、人気の店だから品切れが心配だったんだ」
予告通り桜子はランチを腹八分目で押さえ、放課後デートで立ち寄ったスイーツ店のイートインでケーキを3つ平らげた。
それだけでなくヒロが注文したモンブランも半分近く食べた。
「ほら桜子」
ヒロがフォークを差し出した。
食べ物が絡むと躊躇のない桜子はヒロが差し出すモンブランを食べた。
「美味いか?」
「渋皮栗のマロンムースと濃厚なカスタードクリームが美味しいわ…」
「ほら」
ぱくり。
ヒロが差し出すまま、ぱくぱく食べた。
── 相変わらず桜子は上品な大食いだな。大食いと上品を両立出来るのは世界中探しても桜子だけだろうな。いや
「お祖母様も一度は来店したいと仰っていたのよ、私が先に来たと知ったら残念がると思うわ」
「桂子様もまだ来店されていなかったのか?」
「焼き菓子を取り寄せたことはあるのよ、私も一緒にいただいたわ。とっても美味しいから是非一度はお店に足を運びたいと仰っていたの」
「じゃあイートインも素晴らしいと報告出来るな。コバたんのための一皿を用意してくれて助かった」
華やかなケーキよりも真っ白な食べ物を好むコバたんのためにミントの葉っぱもベリーも乗っていない真っ白なレアチーズケーキを用意してくれた店に感謝だ。
「クポッ!」
「そんなに美味かったのか?」
「クポ!」
コバたんが羽を広げて満足そうに鳩胸を反らす。かなり美味しかったらしい。
もちろん、ここでも幸せそうにケーキを頬張る桜子の写真を撮りまくったヒロだった。
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