第42話 付き合い始めは楽しいんです!
「可愛い!」
デフォルメしたヒロの肩にテックンが飛び乗る動く画像を見た桜子が声を上げる。
「こっちは桜子とコバたん」
デフォルメされた桜子にコバたんが抱きつく動くイラスト画像だ。
「クポー!」
コバたんも大喜びだ。
「昨夜、桜子とコバたんのGIFアニメーション画像を作った。チャットアプリとかで俺は署名代わりに使ったりしてる。こういうのも、いずれ桜子のセンスで作れるようになるから参考までに」
「ねえ、ヒロに送ってみてもいい?」
「ああ」
『ありがとう、嬉しい〜』
桜子とコバたんの動く画像を貼付
送信
『喜ぶ桜子も可愛いな』
ヒロとテックンの動く画像を貼付
送信
待ち合わせて一緒に登校しながらヒロと桜子がチャットアプリで画像を送りあっていちゃついている。
「おはよう桜子、ヒロ」
「おはよう清、ねえ見て」
「凄いじゃない。桜子とコバたんの特徴をよく捉えているわね、可愛い」
「ヒロが作ったのか」
「おはよう真太郎、昨夜ちょっとな」
「私も早くコバたんの可愛い画像を作れるようになりたいわ」
「確かにコバたんは可愛いからスタンプ向きだな」
「ポッ!」
ヒロの言葉にコバたんが自慢げに鳩胸を反らす。
清と真太郎はイチャつく桜子とヒロに慣れてきて、朝から寄り添ってキャッキャする桜子とヒロを生暖かく見守った。
「放課後は2人で買い物に行くの?」
「ああ桜子にはインフォメーションテクノロジー部に入部してもらったけど、まだソフトのインストールしか出来ていないからな」
「ヒロのオススメのテキストを一緒に買いに行くのよ」
「ジュンイチ堂書店の奈良店か?」
「ああ、近さと品揃えのバランスから見るとジュンイチ堂しかないよな。専門書が手に入るから入学してからも、ちょくちょく行ってるがいい書店だと思う」
「良かったわね桜子。ジュンイチ堂ならあのお店にも寄れるわよ」
「あのお店?」
「桜子が行きたがっていたケーキ屋さんよ。2年に1度リヨンで開催されるLa Coupe du Monde de la Patisserie(クープ ドュ モンド パティスリー)で優勝したオーナーのお店がある駅よね」
「ジュンイチ堂は近鉄奈良線 大和西大寺駅にあるの!?」
桜子のテンションが爆上がりだ。
「その店なら知ってる。桜子が好きそうだと思ってチェックしていたからな、買い物が終わったら寄ろう」
「嬉しいわ!お昼は腹八分目にしておいて、たくさん食べたいわ」
「桜子ったらデートっぽい雰囲気がゼロじゃない」
「いや、桜子はこれでいい。たくさん食べる桜子は可愛いからな」
初めての放課後デートで腹一杯食べるつもりの桜子に清がツッコミを入れるがヒロ的にはOKだ。
「で、デデデデデ…デート?」
「ああ俺たちの初めての放課後デートだ。今日のエスコートはシミュレーション済みだから任せろ」
ただの買い物ではなく放課後デートだと気づいた桜子がヘナヘナと椅子に崩れ落ちた。
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