第41話 部活でも一緒
学園中で噂になった。主にヒロが。
常に桜子の手を引いてキラキラしてて、とても見ていられない。でも見たい。怖いものをのぞかずにいられない…そんな気持ちで甘々な2人を盗み見て…後悔する者が続出した。
ヒロは今日も甘々だった。
「桜子、桜子もインフォメーションテクノロジー部に入部しないか?俺が部活の日は待たせてしまうし、桜子を1人にするのは心配だからな」
「でも私、そういうの得意じゃないし…」
「俺が教えるよ。桜子は子供の頃からお絵かきが得意だったから部活でWebデザインをやってみないか?PhotoshopやIllustrator、HTMLもCSSもPHPもjQueryも俺が教えてやれるし」
「いいの?」
「ああ、桜子の領地の美味いものを紹介するWebサイトでも作ってみるか?」
「やってみたいわ!」
「じゃあ今日の放課後からでいいか?」
「ええ!よろしくね」
「まあまあまあ、嬉しいわ!」
「インフォメーションテクノロジー部へようこそ」
「歓迎するわ」
ストレートボブの
「とりあえず桜子の領地の美味いものを紹介するWebサイトを作るのが目標です。俺が教えるんで」
「そうね、それがいいわね」
「ヒロさんは教え上手ですものね」
猛禽類先輩たちが
しかし覚醒したヒロは生温い先輩たちに全然負けていない。
「桜子、今日は必要なソフトを一緒にインストールしよう。明日は入門テキストを買いに一緒に本屋に行こう。実際に手を動かすのは明後日以降だな」
「うん」
桜子を座らせて後ろから覆い被さるように桜子の画面をのぞき込んで、あれこれインストールしており、顔を寄せてイチャイチャしているようにしか見えない。
不満顔のコバたんを宥めるのはテックンだ。コバたんは昔からテックンに優しいし、テックンの言うことはよく聞く。
「テックンもコバたんもこちらへどうぞ」
「お菓子があるのよ」
猛禽類先輩たちが用意したのは、油好きのテックンには油で揚げたチュロス。白いもの好きなコバたんには真っ白い恋人たち。
── 真っ白い恋人たちッポ……恋人…
コバたんの目が半目になる。
「
「嬉しいわ、真っ白い恋人たちは大好きなお菓子なの!」
── 縦ロールに悪意はないッポ。…天然なだけッポ。
真っ白い恋人たちは美味しかった。
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