第5話 あの日の誓い

小さいころ、ルイと一緒に公園に行ったとき先にお弁当を食べ終わって砂場に遊びに行ったルイのもとへ歩いていると、砂場の方から泣いている声が聞こえてきた。急いで行くと、そこには知らない三人に囲まれて座り込んで泣いているルイの姿があった。よく見ると、三人のうちの一人がルイに向かって砂を投げている。


「やめろっ!!」


ルイをかばうようにして立った僕は頭から砂を被った。


「セイく、ん……」

「何するんだ!!」

「だ、だって、そいつが俺たちが作っているやつ、マネするから! やめてって言ってもやめねーし!」


見てみると、その三人が作っていたのはお城のようだった。それからルイが作っていたやつを見ると、僕はすぐに分かった。


「ルイは君たちのようなお城を作っているんじゃない。ルイは仰向けに寝ているくまさんを作っているんだよ。ね? そうだよね? ルイ」

「うん……」

「あのお山はお城じゃなくてくまさんのおなか。くまが座っているのを作るのは難しいんだよ。特に耳が」

「ま、紛らわしいの作ってんじゃ……」

「確認もしないで勝手に勘違いしたのはそっちだろう? 謝れ」


苛立った僕は三人を睨みつけて言った。


「……」

「聞こえないのか? 謝れっ!!」

「ご、ごめんなさーい!!」


作っていた砂のお城なんか忘れて三人は走り去っていった。


「大丈夫?」


自分のことは後回しにしてルイにかかっている砂を一方の手で払いながら、もう片方の手で僕はルイに手を差し出した。


「うんっ! ありがとう!!」


僕の手を取ったルイの笑顔を見て、僕は思った。


(ルイが困っていたら僕が助ける。好きだから大切だから僕が守る!)


それから僕たちは一緒にくまさんを作った。そして、お母さんたちのいるところに戻った。僕はルイを守ったことを誇らしげに言った。するとルイのお母さんから感謝をされて、僕のお母さんも褒めてくれた。

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