冒頭詩・エピグラフ

 正義とは何か 不義とは何か 善とは何か 悪とは何か


 そう問う者がいるだろう 対し彼らは答えるはずである


 そのために法が存在するのだと


 だがはたして、本当にそうだろうか?


 なぜと問われ 法に反するからではいささか不十分ではなかろうか?


 法とは社会の秩序を保つために存在し


 その行為が悪行だから法が定まっているのではなかろうか


 だとすれば正義であっても法に反することはある


 善であっても法に反することはある


 人の行いは結果が同じでも 経路が違うものなのだから


 正義と悪は同時に成り立つ


 それはもはや自明のことわりであり 正義が善であることなど意外と少ないものだ


 法は不完全で融通が利かず そして時に善行を邪魔する


 では復讐は 悪か否か 正義か否か


 問われれば人は答えを拒むだろう


 それ答え無き問い故に


 これは復讐に命を賭し


 己が正義を貫きつつ


 闇と悪になろうとした者と


 聖なる血を持ちながら


 種が正義を背負い


 彼に付き従うと己が運命を定めた者との


 長き戦いの記録である

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