もう一人の男

PAULA0125

前置き

 その日、四人のおとめが身籠った。

 彼女たちは男の子を産んだ。

 生まれた子供の父親は、彼女たちにとって恥だった。

 母親となった彼女たちが心のよりどころにしていた言葉は、次のようなものである。


『そこで預言者は言った。

 「大王の家よ、聞け。貴方方は人を煩わすことを小さい事とし、また我が神をも煩わそうとするのか。それゆえ、主はみずから一つのしるしを貴方方に与えられる。


  見よ、おとめがみごもって男の子を産む。

 その名は神と共に居られる子、即ちインマヌエルととなえられる。


その子が悪を捨て、善を選ぶことを知るころになって、凝乳と、蜂蜜とを食べる。

それはこの子が悪を捨て、善を選ぶことを知る前に、貴方が恐れている二人の王の地は捨てられるからである。

主は、豊かなる者が賛美の者から分れた時からこのかた、臨んだことのないような日を貴方と、貴方の民と、貴方の父の家とに臨ませられる。それはアッシリアの王である。』

―――イザヤ書七章より

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