家到着!!


前回のあらすじ

ルナシーたちは自分たちの世界にできた大きな穴を調査するために大きな近づいたところ穴がどんどん広がり落下してしまう。

ルナシーの魔法によって浮遊し、横穴を見つけてその中を進んでいくとそのには自分たちがいた世界ではない別の世界だった。

そこで、少年の紅月冬馬と出会い 家へと着いて行くこととなる。

紅月冬馬の家に向かっているルナシーたちは先に歩く冬馬の後に続いて歩いていた。


「ここから歩いていくけど大丈夫?」


「はい、大丈夫です。冬馬様はいつもあそこにいるのですか?」


「ううん、たまたま見回っていたところに君たちが現れただけだよ。」


「なんで、見回りをしていたんだ? この世界はドラゴンやヒドラなどはいなさそうなのに…」


「この世界は|悪鬼(あっき)と呼ばれる化け物が現れるからね。僕ら、陰陽師が一般市民を守らねばならないんだ。」


「陰陽師とはなに?」


「陰陽師とは、元々は古代日本の官職の1つで国家公務員だったんだけど時代が変わると衰退していき、消滅も囁かれたぐらいやばい状況だったんだよね。」


「そんな状況だったのにどうして陰陽師というものがあるんですか?」


「それは、2000年代初頭に入ると神隠し事件や謎の失踪事件などが増え始めて、最初は、某国のの工作員による拉致事件ではないかと騒がれたが、その国は否定 それと同時に鬼のような容姿をした人が謎の失踪事件の捜査現場近くで目撃されたのを皮切りに色々なところで目撃されるようになったんだ。」


「へー そんなことがあったんだな。それからどうなったんだ?」

(おぉー話に興味を持ち始めてるな。これなら警戒心を緩和出来そうだな)


「それから日本政府はその事については否定したものの、信憑性が高い映像が世の中に出回ると手のひらを返したかのように認めて、陰陽庁と陰陽師の育成機関である陰陽寮が設置を始めてとした対策法案が全会一致で可決成立したことで土御門家や紅月家などの陰陽師を生業としていた家が重要視されたんだよ。」


「それは凄いー 」


「僕は、十二天将という役職についていてそこの第一位の|騰蛇(とうだ)なんだよ。」


「そんな役職があるのですか? どういったお仕事なんですか?」


「お仕事としてはさっき言った通り、人に危害を加える悪鬼や妖怪を退治したり、封印したり、警察では解決できない神隠し事件の捜査または解決など多岐にわたるね。もちろん、それ以外にも後輩陰陽師の育成や指導とかも行ってるよ。」

色々なことについて話しているうちに冬馬の家に到着した。


「ここが僕の家だよ。」

ルナシーたちは立派な門がある冬馬の家に驚いて声も出なかった。


「こんな立派な家に住んでいるのですか? まだ、お若いのに」


「あはは」

(君たちの方が若いと思うけど…)


「この家は何で出来るのー?」


「さぁー? 分からないよ。僕が建てた家じゃないからね。まぁ、中に入って」

門を開けて石が引き詰められている道を進んでいく。

両サイドは日本庭園になっていて高そうな盆栽や枯山水のようなものがあり、ルナシーたちの好奇心を刺激していたが、その一方でかなり警戒をしていた。


「この家には誰と住んでいるんだ? こんな広い家に1人で住むことは無いだろうからな。」


「ん? あぁ、この家には幼馴染と式神と住んでるよ。」


「結局、何人で暮らしてるんだ?」


「えーっと 3人かな?」


「えっ!? たった3人でこんな立派な家に暮らしてのか? 陰陽師…恐ろしい…」


「あはは まぁ、この家を建ててくれたのは両親だけどね。」


「どうしてお母さん、お父さんと暮らしていないんですか?」


「それは…死んじゃったからね。僕の両親と兄弟は…」


「それは済まなかった…嫌なこと思い出させてしまって…」


「いいよ…疑問にも思うよな。この家に3人で暮らしてるんだからね。」

ルナシーたちはどんよりとした空気感のまま家に入ることになり、マインが冬馬の頭を突然、ヨシヨシし始めたのだ。


「辛いよねー 私も両親いないから分かるんだよー 冬馬の痛い気持ちが だからヨシヨシさせてー」

黙ったまま、頭をヨシヨシされる冬馬は涙を必死に堪えているようにも見えた。

レイン、ルナシーの両名は冬馬に抱きついてぎゅーっとしてくれて冬馬は何だか懐かしさを感じつつもそのままリビングに入っていった。

リビングには大きいソファとテーブル、テレビなどがあって綺麗に整えられていた。

ルナシーたちはぎゅーっとしたまま寝てしまった。

起こすのはあまりにも可哀想だったため、そのまま状態で幼馴染たちが帰ってくるのを待つことにした冬馬は、昔のことを思い出していたのであった。


「お母さん…」

マインは大粒の涙を流しながら寝言を言っていた。

この子たちを放っておくことは出来ないなっと思いながら冬馬も眠りについてしまった。

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