「おしまい」

 おはようございます、このはりとです。


 わたしは、物語の完結を「おしまい」と結んでいます。ひらがなの柔らかさが好き、それだけの理由です。

 拙作『あなたが振り向くまで。』に抱えていた感情と向き合い、時間をかけて読みなおし、執筆時のBGM・通知音を聞かないようにし、ヒロインのイメージぴったりなイラストをスマートフォンの壁紙からはずす。これでようやく、わたしの「書く」という物語が「おしまい」を迎えました。

 初めて、読んでほしい人がいる、を目的とした本作は、これを書いている今、まだわたしが望むすべての人には読まれていません。手に取り、ページがめくられる日がくるのを、棚の中で待っていてもらうことにします。

 語り始めるのは開かれてから。それが「本」なのかな、と思いました。



 つづく

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