第2話 心の読める少女
「私は心。よろしくねクローン君」
「よろしく心さん」
「心でいいよ。」
「これから一緒に頑張ろうね」
「え?ああ」
一緒に、、か。たしかに能力を持ってるもの同士が協力すればいろんなことができるだろう。
「ねえ、零。あそこにおばあちゃんがいるでしょ」
彼女が指をさした方におばあちゃんが早歩きしていた。
「あの人これから銀行に行くらしいわ。300万振り込むために」
「それって!」
「ええ。急ぐわよ」
そう言って、心は走り出した。ぼくは彼女を追った。
「ねえ、おばあちゃん。急いでるけどどうしたの?」
「ああ。これから孫をたすけるために、銀行まで、」
「それって詐欺じゃないの?大丈夫?」
「え?」
「確かに、電話した時孫の声じゃなかったかもしれん、、」
「お孫さんに連絡してみたら?」
「そうね。電話してみるわ。ありがとね。嬢ちゃん」
「ええ。騙されなくてよかったです」
そう言って、おばあさんは去って行った。
「すげえ」
僕はそうつぶやいた。
「案外人は騙されやすいのよ。焦ってるように見えるよ?っていえば要件を話してくれる。そしたら能力を隠して人助けができるでしょ?」
すごいなあ。僕はそう思った。
「あ!もうこんな時間!ごめんなさい。もう行かないと」
「そっか。また今度」
「ええ。でもなかなか会えないかもね。学校違うから」
「そうなんだ」
「ええ。初めて能力持ってる人見つけた。」
「僕も」
「じゃあ、また今度」
「さよなら」
心と別れ帰路についた。
今日はすごい人に会った。自分は自分のためにしか能力を使ってないのに僕はそう思った。
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