あとがき1 史実情報などについて

ここまで読んで下さった読者の中には、どこまで事実で、どこがフィクションか判断し難い作品と感じられたかもしれません

中には「知識をひけらかすのが作品の面白さじゃねーぞ勘違いしてんなボケ」とも思われたかもしれません


それでも読んで頂けただけで感謝しかありません


そんな情報量の多い作品ですので、こうして補足のような形で、あとがきを書かせて貰ってもいます

いかに歴史を題材にした小説といえども、やはり詳細に、この時代を知ってる人のが少数でしょうから、解りやすく箇条書きで、この時代についてまとめてみます


・ナポレオンが皇帝になる前の時代で王政復活やナポレオンに取って代わろうとする人達が暗殺などの陰謀が渦巻いていた

・1802年に警察省が解体され法務省が治安管理を行っていた

・科学的な視野が広がり宗教への信仰が形骸化し無宗教の人が既にいた

・ルーブル美術館を一般公開していた

・男尊女卑な価値観

・表現の自由が保証されていた


などの背景がありました


それと諸説ありますが魔術に関しても18世紀~19世紀頃に芸術性を取り込み魔術世界においては一種の技術革新の最中であったこともいわれています

有名な実例はタロットカードで、ソレ以前の魔術は記号や模様、呪文の詠唱などで薄暗いイメージしかなく芸術性を魔術に取り込んだタロットカードは衝撃的で魔術師の間で大流行し、カバラなど魔術研究が活発化したそうです

ただ実際には、この時のフランスは魔術行為を禁止する法律が存在していますので、その点に関しては作中では、そういう法律は無い、もしくは無許可に使用を禁じてる程度の設定を考えています


他にも史実情報としてはルイ17世の心臓が盗まれたことや、聖遺物を持ってると奇跡などの恩恵を得られると信じていたことが上げられます

宗教が形骸化したと言っても、こういうのは信じられいたようです

実際『庶民のある女の回想録』によればルイ16世が処刑された日も執行後にハンカチや千切ったシャツの切れ端でルイ16世の流れる血を集めていたり(つまり聖遺物欲しさに民衆が群がっていた)ルイ17世の検死解剖をしたペレタンが心臓を盗んだり、知識人層であるドゥノンが聖遺物をコレクションしていたと残されています


なんと言うか自分で書いておきながら本当に情報量多いし解り難い作品だと思いますが本作ではこういった史実情報など上手く使いながら今後とも書いていこうと思いますし質問などあれば答えられる範囲で答えていきたいと考えています


未熟ではありますが今後とも読者の知的好奇心を刺激し楽しんでいただけるよう頑張りたいと思います

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