さくら様、お尻をペロペロさせて下さい!!

豚骨ラーメン太郎

さくら様ペロペロしたいお

「おはよう天宮君!」


「おはよう井上さん。あれ、髪留め変えた?」


あからさまに見せびらかしやがって、クソビッチが。



「おっ!天宮、おはよう!」


「おはよう佐々木。朝練頑張れよ。」


近寄るな。汗臭い。



「やっほー天宮君!!」


「あはは、今日も元気だね。おはよう吉木さん。」


暑苦しいんだよ。あとうるせぇ。



「お、おはようございます!天宮先輩!」


「おはよう前園さん。今度新人戦だってね。頑張って。」


馴れ馴れしいんだよクソガキ。



「あ、おはよう天宮。」


「おはようございます、結城先輩。その荷物、先生に頼まれたんですか?大変そうですね。」


忙しいなら話しかけなくて良いから。むしろ忙しくなくても話しかけんな。



「おう天宮。おはようさん。」


「おはようございます山本先生。風邪はもう治りましたか?」


完治するまでマスクしてろゴミ教師。うつったらどうすんだ。






「連絡事項は以上です。それじゃ、皆気を付けて帰ってね。」


やっと終わった。

一刻も早く行かねば。



「天宮、今からカラオケ行くんだけど、お前もどうだ?」


「悪い森田、これから用事があるんだ。また誘ってくれ。」


邪魔すんじゃねぇ。絞め殺すぞ。



「えー、天宮君行かないの?ならあたしもやめとこうかなー?」


「あはは、ごめんね村瀬さん。また今度。」


意識してますアピールうぜぇ。チラチラ見るんじゃねぇよ。



「さようなら天宮君。気を付けて帰ってね。」


「はい、さようなら早川先生。先生もお気をつけて。」


さっき聞いたっての。もうボケたのかよ。






……見えてきた。

学校を出て徒歩40分。

学校自体が都内でも都心から離れた所にあるが、ここはさらに田舎寄りの土地だ。

徒歩30分圏内に駅の一つもない、都内のくせに都会要素のない住宅街。


そんな住宅街を川沿いに歩いて奥へ入っていくと、僕の目的地。

子供がドッチボールをするくらいはできそうな程度の広さ。

緑豊かな大きな木々に囲まれた場所。

その最奥にはしっかりと清掃された境内がある。

そう、ここは神社だ。



胸の高鳴りを抑えながら境内へ近寄り、口を開いた。



「さくら様、いらっしゃいますか?僕です、天宮清彦です。」


「うむ、よう来たの清彦。わしはここじゃ。」


さくら様!!


「お久しぶりです、さくら様。お変わりありませんか?」


相変わらずお美しく可愛らしい……ペロペロしたい。


「おぬしは大袈裟じゃの、先週会ったばかりじゃろうに。あ、ペロペロは駄目じゃぞ。」


「できることなら毎日お会いしたいと思っていますから。」


そんな殺生な。

すべすべの頬っぺたをペロペロして小さなお尻に頬擦りしてその綺麗な髪に顔をうずめてクンカクンカするのが駄目だというのか…!?


「要望が増えておる上に変態度も増しておる……おぬしこそ相変わらずじゃのう。こんなちんちくりんの体の何が良いのやら。」


「貴女の全てが僕を魅了してやまないのです。」


どうか末永くそのままでいてください。

そしていつの日か全身をペロペロさせて下さい。


「ぬ……そ、そういうのはやめろと言うておろうに……」


んほぉぉぉ!!照れるさくらたまかわうぃぃぃぃぃぃ!!!!!


「照れておられるのですか、さくら様?」


「て、照れてなどおらん!というか、おぬしの心の内と表情は本当に繋がっておるのか!?」


「勿論です。僕はごく一般的な人間ですから。」


「ごく一般的な人間はそんな変態的なことを考えながら爽やかに笑うことなどできんぞ……」


「そうでしょうか。」


あぁ、そんな疲れた顔をしないでください。

可愛すぎて欲情してしまいます……デュフフフフ


「ぬぅあぁぁぁ!!わかったからもうやめい!!」


「はい。」


怒った顔も良い。

いっそのことその小さくやわらかな御手で僕を叩いてほしい。

そして強く叩きすぎて逆に掌が痛くなって涙目になったさくら様をなでなでして涙をペロペロしたいお。


「変態じゃー!変態がおるー!!」


「ありがとうございます。」


褒め言葉です、ごちそうさまでした。

合掌。






「して、この一週間はどうじゃった?悩める者は見つかったかの?」


境内に腰かけた僕の横にちょこんと座り熱いお茶を飲んでいるさくら様。


「なかなか見つかりませんね……申し訳ありません。」


「いや、良いのじゃ。おぬしはよくやってくれておる。」


うっひょ、さくら様に労われちったぜ。やったね。


「後輩にも顔と名が知れてきたことですし、近いうちにまた見つかると思います。もう暫くお待ちください。」


「うむ、承知したのじゃ。……すまんのう、おぬしには迷惑ばかりかける。」


「どうかお気になさらず。僕が好きでしていることです。」


「じゃが……」


「それに、僕も労力に見合う対価は十分に頂いていますから。」


「わしはまだおぬしに何も与えられてはおらんが…?」


なんと。

さくら様は気づいておられないのか。


「…こうしてさくら様とお会いして、隣にいられることが、僕にとって何よりの褒美です。」


「あっ…う……しょ、しょうか……しょれはにゃによりじゃ……」


噛み噛みのさくらたまペロペロしたいでしゅ。

っと、いかんいかん。



「まぁそれとは別に、いつの日かさくら様が神格を取り戻したとき、約束を果たしていただけるよう、準備なさっておいてくださいね。」


「う、うぬ……わかっておるわ。まったく、あんなことを頼みおって…変態め。」


「ありがとうございます。」


「褒めておらん!」


赤面して怒るさくら様を見て笑いながら、僕はあの日のことを思い返していた。

一年前の夏、この場所で、初めてさくら様にお会いした日のことを。






『おぬし、わしの願いを叶えてくれんかの?』


『僕がですか?』


『うむ。見事果たされたその時は、礼としてわしにできることであれば何でもしよう。」


『……では、一つお願いがございます。』


『なんじゃ?』


『貴女の……神様のお尻を、ペロペロさせて下さい。」





僕は、神様に恋をした。

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