第5声 始動!最強!横島龍馬!
龍馬が走り出したあとの会話
フィンディ「スッゴいスピードでいっちゃったね。」
アトラディ「そうね。…なんで、あんなに親切にしちゃったんだろう?」
「お?お姉ちゃんまさか、恋?」
フィンディは口に細い指を添えて口笛を吹いた。
「ペェーペェー」
「いや、鳴ってないから…恋なんてしてないから…」(なんか…そうね。私も私の目を信じちゃったのかもね…今度会えたら、私たちのこと…)
「また、来るといいね!」
アトラディは、小さく頷き呟いた。
「そう、だね…これで、良いのかな…」
龍馬が、全力で突っ走り、二時間が経過した頃…
・・・「待て!」
横から声がした。龍馬は、敵意を感じたが、そのまま走る。
・・・「待て!くそ!くらえ!」
何かが龍馬の横を通りすぎる。龍馬は、止まった。
・・・「おまえは、ひとつ様から消すよう言われている。お前に恨みはないが消えてもらうぞ!」
(依頼主と目的を言ってきた。どうやら、馬鹿のようだ。いや、いいやつなのかもな)と龍馬は考える。
『僕は、
・・・「ん?私は、ラインハルト、神徒の一人だ。お前に言っても分かるまいがな。フッ」
(やはり、真面目な気のいいやつか。)
「横島龍馬よ!我が神の御技より体現せし究極の神術(シンジュツ)をくらえ!全てを焼きつくす鳳凰の獄炎を!鳳凰生滅(フェニックスでぃれくしょッ)」
どか!ばき!ばこ!
『悪いな。急いでいて余り手加減できなかった。』
龍馬は、踵を返して走り出した。
…
「うぅうう…ふッ逃げるとはな、笑止」(私は、フェニックス!何度でも甦るぞ!)小声
…
龍馬は、こちらの世界に未知の部分があることをフィンディとアトラディから教えてもらっている。道中に、化け物がたくさんでてきたが、全てを瞬殺していった。
(化け物とのバトルは、全て瞬殺!良いね!決してバトル描写ができなかったわーけじゃーないんだからね!ね!)ナレーション
…
龍馬は、考えながら走った。都に着いてからの行動を考え、彩子が置かれている状況を場合分けし、それぞれの対応策を練った。幸い、言葉が通じるはずなので、手段が多い。
『着いた。分かりやすいな…彩子の匂いがする!』
龍馬は、塀を密かに越え、匂いの方向に進んだ。幸いこの世界にも夜があるようで、月明かりも運良く暗かったのでサクサク進めた。
場面かわって、
カチャカチャ。ぱく、はむはむ。
「美味しい!」
(服を脱がされたときは、もう終わったと思ったけど、なんだろうこの待遇は?…お父さんとお姉ちゃんご飯食べてるかなぁ。お姉ちゃんいるし大丈夫だよね…ヨウくん…)
ポロポロ
「あ、あ、涙が…食事中に、すいません…」
一緒に食事をしていた3人は、気を使ったのか「お先に」や「ごゆっくり」なんて言って静かに部屋を出ていった。彩子は、部屋に一人きりだ。泣きながら、「シチューにご飯がのせられた?」ものを美味しくいただいていた。
コンッコン!
窓が叩かれたみたいだ。彩子は涙を拭きながら窓に近づく、室内が明るく反射して外が見にくい。
だが…
「ヨ!ウくん…」
彩子は口を手で押さえながら声を出した。早速、窓を開け、龍馬に飛びつく。
龍馬は、彩子を右腕で支えながら両足の指で外壁をつかみ、体勢をたてなおす。
『大丈夫?』
「うん!何にもされてないよ!逆に気を使われてるみたい。」
二人は部屋に入り、龍馬は靴を出して履いた。
『そうか。良かった。』
「そうだ!はい、左手!ちゃんと洗って爪も切っておいたから!」
と言いながら、彩子はおもむろにスカートをめくり、腰辺りから龍馬の左手を取り出した。
『あ…ありがとう…』
龍馬は、欠損部をくっつけてみたり色々してみたが、くっつかないようだ。しかし、左手は彩子の良い匂いがした…
「もう、ここで1人なのかと思った…グス」
『大丈夫…あ、彩子?髪少し伸びた?』
「ん?まあ、10日もあってないから少しは伸びたかも!」
龍馬は、10日と言う言葉に驚きながらも彩子に遅くなったことを謝った。
『ごめんな。遅くなった。すまん。謝るよ。好きだ。許してくれ。ソーリー』
「謝りすぎだよ。しかも、心の声が少し漏れてるし、フフフ…ヨウくんが謝る必要なんてないよ!この左手に支えられたもんね!」
バン!
両開きの部屋のドアが強く開けられた。
それと同時に騎士のような格好の4人が部屋の中に展開してくる。
騎士1「何者だ!どうやってはいった!」
騎士2「姫から離れろ!」
龍馬は、左手を彩子に渡し、彩子の前に出た。
(監視していたのか?彩子にセンサーか?魔法?神素がある世界だからな、なんでもありか…)
龍馬色々考えたが、落ち着き払った様子で質問に答えた。
『わたくし、横島龍馬と申します。いごお見知りおきを 正門から入ってきました。この部屋には、窓からです。』
『できれば、姫様がこちらに来た時の場所に連れていってもらいたいのですが…』
騎士たちは、お互いに声を出し龍馬を牽制したが、心の中ではこの非常事態に焦りを抱いていた。
騎士1「応援はまだか?こいつ、強いぞ!たぶん相当だ。」
(姫もいて、神術が使えない!どうする!)と考え、騎士たちは目配せした。
騎士2「侵入しておいて我々に命令とは、いい度胸だな!」
(神素がまるで感じられない!なるほど、神素センサーが感知しないはずだ。でも、監視の目と物理センサーは、どうやったんだ?もしかして、本当に正門から入ったのか?夜間勤務交代は、10分前だから、何かあれば交代者が警報を出すはずだ!)
騎士3「近づいてきます!班長!」
騎士1「4番後衛、2番3番私に続け!訓練通りだ!」
騎士1は、手信号で指示を補足した。
『まあ、落ち着いてください。』
騎士1「いくぞ!」
(あれ?自分の身体の動きが遅い。まさか、これが走馬灯と言うやつか…相手は動きにまるで無駄がないな。2番3番がもうやられている…)「うわ!」
バタン…
彩子は、龍馬の動きが滑らかで遅く、騎士たちの動きが直線的で早く見えた。彩子は、目をつむり、龍馬の無事を願った。
(ヨウくん!)
彩子は、ゆっくり目を開けた。
そこには、龍馬が1人で立っていた。
「ヨウくん…あれ?…動かない…みんな大丈夫?…」
『僕に危害を加えようとしただけだから、手加減してるよ』
「ヨウくんこんなに強かったんだね」
『君に認めてもらいたくて頑張ったからね。1回目の告白から1億万倍くらい強くなったよ、ははは…』
彩子は、両手を前に出しながら龍馬に近づき、龍馬の学ランの裾を片手で掴むとこぼれ落ちそうな涙を吹いた。
「1回目の告白?」
彩子がそう呟くと、龍馬と目が合った。龍馬は、驚いた顔をしていた。
『「え?」』
二人は、
『えっと、10日前の告白は、告白と認識してもらえてますよね?ね?』
彩子は焦った様子で、言い訳した。
「す、すいません…10日前のは覚えてるよ!でも…その前は…んッ!はい!返事は…」
(やっぱり言えない。なんで?大事なところで声にならない。絶対おかしい。応えたいのに言いたいのに!口にできない!)
『なら、問題ありませんよ…』
彩子は、敬語になった龍馬を見て胸が苦しくなった。
「ヨウくん…怒ってる?」
彩子はチラッと龍馬を上目遣いで伺う。
『少し…でも、しっかり謝れる…彩子のそういうところも好きです』
「あぁうぅぅ…ありがとう…」
彩子は龍馬がいてくれることに感謝し、また、涙がこぼれた。
龍馬は、彩子を見ずに話した。
『こ、これからどうしようか?実際、彩子が出てきた場所に行っても戻れる可能性は低いからなぁ。まずは、生活基盤が重要だよね。この国の王と話してみよう!』
彩子は話を反らして明るく慰めてくれる龍馬に強さと優しさを感じ、元気に振る舞おうと決めた。
「ありがと!でも、暴力はダメだよ…そうだよ…ね?」
彩子は龍馬を見た。龍馬は、彩子には笑顔だったが、何かにすごく怒ってるように感じた。
『…彩子がここに連れてこられた理由による…かな。まあ!彩子が傷つかないんだったら暴力はしないよ!約束!』
「う、うん!…本当?でも、ヨウが傷つくのだけあッ」
龍馬は、彩子の口を指で押さえるジェスチャーをした。
『僕のことまで心配しなくていいよ。オレは、嘘つかないし!約束は絶対に守るよ!』
彩子は、龍馬の差し出された右手を握った。龍馬は照れてるようだった。
彩子は心で呟いた。
(オレって言って無理やりかっこつけてる…龍馬ぁ、ありがとう。ふふ、一人称変わるから分かりやすいや…でも、無理しないでね…)
『よし!そうと決まれば、一番偉い人のところわかる?』
「もちろん!もう、このお城は探検済みよ!バッチリなんだから!それに、あの人達も私には優しいから大丈夫よ!きっと!」
龍馬は、ニコニコしながら相づちをうっていた。
※※※※次回予告※※※※
彩子が、バカな子みたいになってる!いや、違うんだよ?聖闘士星矢の沙織お嬢様みたいに若くてしっかりとしてて、小さいときはおてんばだけど、龍馬よりも精神年齢は、高く設定して書いてるはずなんだけども。なんか、他の設定が邪魔して思わせ振りのかまってちゃんになってるんだよね。まあ、龍馬の前だし、家族と離ればなれだし、多少はしかたないよね。(たぶん…)
次回第6声「神への謁見」
君には絶対に守りたい約束はあるか…
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