心が折れる音がする(一話消失)

「えぇーーーっ!!!???」


 ある夜、私は一人で動揺していた。



 いつものように無意味にカクヨムのワークスペースの画面をリロードしてアクセス数を確認していたところ、このエッセイ集の一話目が消えていることに気づいたのだ。



「ん? バグで表示が消えている?」

 最初は呑気に構えていた。画面をリロードすれば元に戻るはずだと。


 しかしリロードしても、別のページから入っても、最初のエピソードだけが表示されない。段々不安が募る。



 私は自分のブログに貼っておいたリンクから一話目に飛んだ。また、ウェブ検索からも入ってみた。


 しかしいずれも「お探しのページは見つかりませんでした」と表示されるだけだったのだ。



「えっ……えええーっ!!??」


 サーッと血の気が引いた。

 ここでようやく焦りはじめ、しかし為すすべもなく現在に至る。





 どうしよう? 一話を書き直そうか?

 しかし同じ話を二回も書く気力はないし、「一話が消えたのでもう一度書いた」なんてことを最初のエピソードに書くと話がややこしくなって一話から読み始めた人が「?」となる。新エピソードを一話目に持って行こうとしてまた何か失敗しないかという不安も沸き上がる。


 消えた一話にはそんなに大したことは書いていなかったけれど……。最後に自分の作品の紹介とリンクを貼っていたので、あれが消えたのが悔やまれる。



 そもそもこうなった原因は何なのか。ついさっき一話目を開いて確認したところだったのに。

 思い当たることといえば、下書き保存しておいたいくつかのエピソードを削除したことだ。


 しかし腑に落ちない。たしかに私は誤操作が多く何かやらかすことは日常茶飯事だが、どうしても誤操作で一話目を削除したとは思えないのだ。削除ボタンとチェックボックスはそれなりに離れているため、間違って一話にチェックを入れてそのまま削除するという動きにはならない気がする。


 でも私以外疑う相手もいないし、それ以外に思い当たる原因はない。



 私は不安になった。「ああそういうことか!」と納得し、「次から気をつけよう」と切り替えることができるならいいけれど、あまり腑に落ちないために「無意識に削除してしまうことがあるのなら、また同じ失敗をするかも」と思ってしまうのだ。気合いを入れたエピソードを自分の手で消してしまったりした日には……一巻の終わりだ。



 とにかくその一巻の終わりをやらかさないよう、今後は気をつけるしかない。今回の失敗で学びは得られたはずだし、テキトーに書いたエッセイが消えたことで学習できて良かったと思い込むのみだ。

 あといいことをもう一つ挙げるとすれば、消えた一話目のタイトル「心が折れる音がする」を今回のエピソード消失の話にそのまま使い回せるということだろうか。こっちの方が似合うし。



 ということで今回得た教訓は……


「あまりエピソードを削除しない方がいい」

「エピソードを削除するときは慎重に!!」


 の二つだった。

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