配信者

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　こんちわーっす！僕はMidoriって言います。今から配信を始めていきたいと思います！初心者でなんも分かってないけど、頑張るよ！応援してくれよな！

　じゃあ、今回は僕が3日前に体験した恐怖のエピソードを紹介するよ！その日、僕は家の掃除をしていたんだ。キッチンから寝室まで、隅々を。で、リビングを掃除していたときのことだった。戸棚を拭いていたら、見覚えのないメモ用紙が落ちてきたんだ。そこには大きく数字の3が書いてあった。こんなの書いたっけなって思いながら、僕は掃除を続けた。リビングを終えて洗面所に行くと、洗面台にメモ用紙が落ちていた。数字の2が書かれていた。流石に不気味だと思って、僕はメモ用紙に触れずそのまま水で流した。ふと前を向くと、鏡に1って数字が大きく書かれていたんだ…

　僕は悲鳴を上げた。でも何もかも駄目だった、遅すぎた。死からは逃れようがなかった。洗面所を飛び出すと、そこは火の海だったんだ…

　どう？怖かった？これが僕の渾身の持ちネタなんだ。え？何、生きてるじゃないかって？いやあ、バレたってならしょうがない。実は今までにしてきた話は、全部嘘なんだ。笑ってるね。そう、嘘ぴょーんってやつ！

　全部嘘なんだ。洗面所の外が火の海だったのも、メモ用紙が掃除中の僕に死へのカウントダウンを告げてきたのも、この恐怖…恐怖ってのも嘘だね、この話が三日前に経験した出来事というのも嘘だし、というか僕の経験ですらないし、僕が配信の初心者ってのも嘘、そもそも配信なんて始まっていないし、僕はMidoriじゃない。