第4話 会話 前編

「おはよ~」


「おはよ、今日も早いのねぇ」


「アハハ...癖がついたのかも」


「いいことじゃない。早起きはいいことよ?」

「朝ご飯すぐに出来るから、そこに座ってテレビでも見て待ってなさい。」


「はーい」


 あーねむてぇ…

 昨日はすげぇ疲れた...なのに全然眠れなかった。

 理由は簡単だ。彼女の笑顔を思い出すたびに、目が覚めたんだ。

 ………

 自分でも気持ち悪いことだって思う。

 恋ってのはこんなものだったのか...?

 恋愛ドラマみたいに甘酸っぱくて、誰もが想い描くようなものは、こんなにもだったのか?


「ご飯出来たわよ~。はいどうぞ~。」


「ああ、ありがとう。」


 考えても仕方ないことか...


       ーーーーー


「おはよー、ヒロ!」


「おはよう戸坂。」


 毎日飽きもせず、見つけては声を掛けてくるんだよなぁ。昨日の、、、帰りの時の話はしないでくれよ...。


「そういえばさ!昨日...」


 さっそく来やがった!


「...の部活がしんどくてさぁ~。」


 ほっ...。


「ん?どうしたの~?」


「いや、何でもない。」


「ふ~ん。。。」


「お前こそ何ニヤニヤしてんだよ。」

「ほら、部活がしんどかったって?」


「そうそう!昨日の部活がさぁ~...」


       ーーーーー


 あ~、授業しんどい。

 雑談がつまらない上に、ずっと喋ってやがる。特に化学の担当がヒドイ。授業の内容がほとんど入ってこねぇ...


 あ~、眠っ...

 次の授業まで10分...まぁ寝てもいいだろ。

 

 ーーー...


「あの...宮下くん...」

「…寝てるのかな...?」


 古畑さんの声が聞こえる...

 俺に話しかけてくるわけないよなぁ...


「宮下くん」


 ハッ...!!


「ふ、、ふふ、古畑さん!?」

「何か、よ、用でもあった?」


 まじか。昨日に続いて、彼女から話かけてもらえるとは...。嬉しいけど、心の準備が出来てないから緊張して、うまく話せねぇ!!


「いや...用事があるわけじゃ...ないけど」


「じゃあ、どうして?」


「...?」

「友達なら...気軽に話しかけても大丈夫...でしょ...?」


 ……


 ……………


「へ?」

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初恋 りこ @Lycorit

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