第1話 初恋の人

 俺の名前は宮下大輝みやしたひろき

東雲しののめ高校に通っている。先月高校2年生になった。


 高校2年生になって初めての登校日、俺は彼女に恋をした。一目惚れだった。



 時間を遡ること1ヶ月、、、登校日


「おーい!ヒロー!」


「おぉ、おはよう。戸坂。」


「えへへ。おはよう。」


 こいつの名前は戸坂千尋とさかちひろ。中学校からの親友だ。

 運動神経抜群、頭は…まぁ、うん。顔はいいし、人懐っこい性格だから女子に結構モテる。

 

 ……ちょっと羨ましい。。。


「俺はヒロと同じクラスになれなくて寂しいよ~。」


 …ダル絡みがウザイけどいいやつだ。


「ん~?」

「朝から元気ないなぁ。夜更かしでもしたんじゃないの?もしくは、変な夢を見たとか。」


「なんもねぇよ。夜更かしもしてないし、夢も見てない。ぐっすり寝たよ。」

「て言うか、いつもこんな感じだろ?」

「早くしねぇと、学校遅れるぞ。」


 朝から疲れるな。よし、置いていこう。


「ち、ちょっと待ってよー!なんで急に歩くのが速くなるのさー!」


 こうして1日が始まった。


「起立。礼。着席。」


 担任の号令でHRが始まる。


「え~、みなさん初めまして。去年から知ってる人もいるかと思います。このクラスの担任になった佐藤渡さとうわたるです。みなさんよろしく。」


 この時間が苦痛だ。ただ話を聞いているだけなのに、妙に嫌気が差す。つっぷす訳にもいかず、ただボーッと前を向く。


「みなさん気づいていると思いますが、今日、うちのクラスに転校生がきます。え~、ご両親の都合で引っ越してきたそうです。皆、仲良くするように。」


 朝からクラスは転校生の話題で盛り上がっていた。俺はあまり興味がなかったんだが、さすがに、俺の新しい席の隣が空いていると気にもなる。


「よし、はいってきてくれ。」


 ガラガラッ


「……」


 女子だった。身長は160cmないくらいで、長い黒髪、前髪は自分の目を隠すように伸びていた。メガネを掛けていて、少し地味な感じだった。


古畑美咲ふるはたみさき...です。」

「よろしくお願いします。」


「古畑の席はあの空いているところだ。」

「じゃあ、配布物が多いから、ちょっと急ぎめに配るぞ~。」


 彼女は席に座るために、こっちの方にあるいてくる。俺は横目で彼女を見ていた。

 席に座ったところで、髪をすくっていた。

 そのとき、一瞬だが彼女の顔がはっきりと見えた。


「綺麗だ...。」


 思わず口に出していた。それほどの衝撃だった。

 彼女の横顔が、あまりにも綺麗に見えたのだ。深い青の瞳、整った輪郭、少し高めの鼻。

 俺は彼女に見惚れていた。


「どうした?宮下。古畑の方を向いて。質問は休み時間にしてくれ~。」


「ーーーっ!」


 新学期早々、クラス中に笑われてしまった。

 すごい恥ずかしい。死にたい...。


 それでも、彼女のことが気になってしまう。

 彼女が笑っていなかったことに、少しホッとする。

 

 たぶん…

  一目惚れだ。目が離せない。


 俺は...恋をしたんだろう。

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