合コン?当日〈2〉

 約束時間通り、昨日も来ていた街の駅前広場に到着する。

 日曜日ということもあって、昨日以上の人混みだ。

 キョロキョロしながら辺りを見回していると、他の人たちよりも頭二つ分ほど飛び抜けている幹児を見つけた。

 向こうも、こっちに気付く。


「早めに来たのか。

合コンが待ちきれないか?」

「合コンじゃなくって、遊ぶだけでしょ」

「まあ、それはお前次第さ」

「で、友達は?」

「お! あそこだ!

おーい、麻里ーっ! こっちこっちー!」


 幹児が、大きく手を振った。

 その先には二人の女の子がいて、駆け足で近づいてくる。


「おはよ、幹児っ」

「よっ、久しぶり! 麻里!」

「えっと……君が幹児の同級生の?」

「はじめまして。稲葉渉です」

「渉君ね。はじめまして。

倉山麻里くらやままりって言います。

幹児とは小学校の頃からの仲で。高校は違ったんだけど」


 倉山さんはショートカットで、活発そうな雰囲気だ。


「こっちは佐々木郁美ささきいくみ

女子バスケの後輩」

「よろしくお願いします」


 佐々木さんがぺこりと頭を下げる。

 佐々木さんはポニーテールに髪を結って、身長が170センチのぼくと同じくらい。


「よろしくな」

「よろしくお願いします」


「それで、これからどうする?」


 倉山さんが話を振れば、


「まずは親睦深めがてら、メシにしようぜ」


 そういう訳で、ぼくらはファミレスに向かった。

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