第20話 忘れられない恋 十五

 ※  ※ ※ ※

僕が甘い物をあんまり食べなくなったのは、

君がいなくなってからしばらくした後のこと。

 初デートの想い出が「甘い物」だったから、何かスイーツを見ると昔を思い出して辛くなって、無意識にそれを避けるようになってしまったんだ。

 もちろん君とスイーツは本当なら関係ない。そんなの分かってる。でも、僕にはそんな「どうでもいいかもしれない繋がり」が辛い。

 いや、本来ならスイーツは君との想い出で、大切にしないといけないものかもしれない。もちろん、僕は君との想い出を頭の中で何度も何度も反芻して、大切にしているよ。

 でも、スイーツだけはなぜか…、

 思い出したくないんだ。

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