第8話 忘れられない恋 三

 そして和紀の心境に変化が訪れたのは、そんな体育祭の本番途中のことである。

 『南沢さんって、本当にいい人だ。明るいし、他の人もよくまとめられるし、それに…。』

 そこから先、和紀は自分の気持ち、理沙への特別な感情に、自分自身ですぐに気づいた。

 『でも、南沢さんは僕たちが体育祭の実行委員だから話をしてただけで…。

 この体育祭が終わったら、僕たちは普通のクラスメイトに戻るんじゃないかな…?』

 そんなの嫌だ!と心の中で叫ぶ和紀がそこにはいた。

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