第1話 観察者メグ
「ようし!早速、新たな世界に出掛けようじゃないか助手くん!」
やる気満々でこちらの手を引いて何処かへ向かおうとするメグ。あなたは慌てて、、、
......
「ん?ああ、教えていなかったね。」
「観察者はね、『世界』を目で『観て』記録すると先程教えたと思うが.....具体的に何をするのかは...私にもわからないんだよ。」
あなたが驚いたのを見て、満足そうに話を続ける。
「理由は簡単だよ。観察者は私が作った。いや、言い方に語弊があるな。そうだな...」
「私自身が観察者だ!」
......
「何を言ってるんだって顔してるね~。観察者はね、どこかのお偉いさんが与えた役割とかじゃなくて、私が好きでやってることなんだよ!」
......
「なんだいその顔は!変なのに絡まれた時の面倒くさいような顔はやめたまえ!」
「ふーっ......。私自身の出生はわからないだよ。気づいた時にはココにいたんだ。何も覚えていなかったんだが、ひとつだけ確信していたことがあったんだよ。」
今までの明るい表情が一変、真剣な眼差しでこちらを見つめ、こう言った。
「世界を見届けるんだ。ってね」
........
「自分でもわからなかったんだが、これだけは確信していたんだ。で、どう見届けようか考えてた時に『ココ』の性質を見つけたんだ。それから今までいろんな世界を旅をして『観て』きたよ....。」
少し悲しい表情を覗かせたが、気のせいだったのだろう。すぐに少女は明るい表情で言った。
「だから具体的なことは無いんだ!」
理由になってない言いように、あなたは少し呆れたのでしょう。
......
「ぐっ...!例えば?だと...」
少し考え込んで...(悪戦苦闘しているようだった)
「観察者の『観る』というのは、映画鑑賞みたいなものだ。私達の目で見る世界をひとつの物語のようにして観るんだ。そして記録は...その感想みたいなものだ。目で『観た』ものを書き留めていく。『すごかったです。』みたいな小学生じみた感想ではないぞ?もっと文化だとか人間だとかを観察してだなぁ...」
話の展開についていけなかったのだろう。あなたのその表情を見て、少女は目を見開いた。
すこし悲しそうな声だった。
「難しいかったかい?」
......
「ーーーッ!!私だってわからないんだから仕方がないだろォ!!」
「感覚的なことなんだよ!言葉で説明するのが難しいんだよォーーー!!」
怒られた
「コホン...まぁいい。すごく!簡単に!簡潔に!例えを言うと観光みたいなものだ。助手である君は今はこの程度の理解で充分だろう。」
「.......」
「さぁ話は済んだだろう。早く行くぞ!」
と、少女はそっけなく言ったが、しっかりとあなたの手を引いてくれていた。
あぁ、これからどんなことが起きるのだろう。だが心配はいらないようだ。あなたはこの状況を楽しんでいるのか、あなたの手を引いている少女の小さい手がとても逞しく見えるのだった。
あなたはまだ知らない。観察者が、少女の過去が、少女の目的が...なぜあなたを助けるようなことをするのか。
『世界』を巡るうちにその答えが見つかるでしょう。
これはあなたと少女のものがたりです。
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