第154話
「……そなたがあれを見初めたは、私には解せなんだ。それ程に幼き頃であったが、あれはそれを直様感ずる様な童女であったから、私はそれに賭けたのだよ。あれは
「法皇様……」
「そなたがあれに執心であっても否でも、あれを当てがえばそなたは夢中となる……ゆえにあれを入内させた。直ぐにそなたはあれの虜となった……そなたに私同様の苦しみを与える為、あれが望む限り関係を続けた……いつかはそなたから、あれを奪い取ってやるつもりでおったのだ」
「お父君様!」
「今でも……そなたが憎い……どんなに似通った女御を抱いても、日に日に似てくるあれを抱いても、決して純子ではないのだ。純子はそなたのその力の所為で身罷ったのだ!!!」
法皇は嘲笑う様にすると、涙を浮かべる今上帝から視線を逸らさない。
「そなたは知らぬだろうが、その青龍の力は物凄い……天子であったがゆえ私には、腹の頃から驚異でしかなかった。その恐ろしさはいずれ、全てもの者達が感ずるであろう……青龍ならば納得がいく……そなたは覇王となる
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