最終話:さよなら。そして…
「舞、起きて。」
「……桜君、また薄くなったね…今日だよね、桜君が消えちゃうの。」
「………うん。」
「あーあ、やだなぁ、もっとお話していたかったな、せっかくお互い好き同士になれたんだし。神様はケチだね。」
「はは、しょうがないよ。そもそも俺と舞がこうして話せていること自体が奇跡なんだから。神様には感謝しなきゃ。」
強がっているがお互いにいつもの明るさはない。
そこから2人で今までの事を思い出しながら喋ったり、俺の過去の話を舞に聞かせたりした。
そして時刻は24:30
「…やだなぁ、もっと一緒にいたかったなぁ。」
「俺もだよ……」
時間はもう夜中、もう俺の身体はないに等しいほど薄くなっていた。
こんな時、俺が生きていたら頭を撫でるくらいのことはできたんだろうか…いや、生きてたなら出会ってもないんだろうな。
―――幽霊になれて良かった。
初めてそう思った。
「もし…生まれ変われたら、また、会いに来てね。約束。」
「分かった。記憶があろうとなかろうと、絶対俺は君に会いに行くよ。約束だ。」
「あぁ、もう時間らしい…じゃあ、"またね"。舞。」
「うん、"またね"。桜。」
(初めて呼び捨てにされたなぁ…)
なくなりつつある感覚の中でも、舞の言葉は暖かく染み渡った。
舞は笑顔だった。
(暖かい……眠くなってきたや。)
✿
「消えちゃった……桜…」
彼がさっきまでいた場所には。
桜の花弁が1枚だけ、ポツンと寂しそうに置いてあった。
「あぁ、ずるいよ。別れ際では泣かなかったのに……」
その花弁を見て涙が溢れて、止まらない。
この花弁は、一生の宝物。
―――――――――――――――――――――
彼がいなくなって2年。
私は大学3年生になった。
「まい〜今日遊べる?」
「ごめんね〜"あの子"がいるから…」
「あ〜"あの子"か〜…私に全然懐いてくれないんだよなぁ。なにかしちゃったのかなぁ……」
"あの子"
それは私が先月から飼い始めた仔猫のこと。
真っ白な毛色と桜を思わせるような優しいピンク色の目が特徴的な男の子
先月のとある晴れた日、うちの玄関の前でおすわりしていたのを保護した。
その姿は、まるで『自宅に帰ってきたかのようだった。』私には最初から懐いてくれているのだが理夏には絶対に懐かない。
もう3回も遊んでいると言うのにまだ威嚇されている。
その瞳の色にちなんで名前は『桜』にした。
彼が人間に生まれ変わるかなんて分からないしね。
最近では本当に彼の生まれ変わりなのかもとまで思っている。
朝に決まった時間に起こしに来てくれるところとか、似てるところが多いから。
別に、この子が彼だと思ったから育てている訳ではない。私はたとえ、この子が彼であっても、そうでなくても、私はこの子を大事に育てたいと思った―――
✿
(いつも上から眺めていたこの家を、まさか見上げることになるとは思わなかったな……)
この家に帰ってきて1ヶ月。
記憶があるのは奇跡としか言いようがない。
舞が気づいてくれているか分からないけど…
まぁ俺は普通に生活するだけだけどな。
朝は舞を起こし、夕方になると舞が帰ってくるのをこうして玄関の前で待つ。
「桜〜ただいま〜いい子にしてた〜?」
彼女が帰って来ても俺はおかえりとは言えない。
だから精一杯背伸びをしてこう言うんだ。
「にゃー!」
俺の名前は"吹雪 桜"。
猫である。
〜了〜
―――――――――――――――――――――
【あとがきぃ!!!】
みなさーん!!こんにちはー!!
狂咲林檎です!!
完結しました!!
多分誰も想像もしてない終わり方をしたと思います!!
文字数も過去最長です!!
いやー!実はこの小説は私が小学生の頃に考えた設定をほぼそのまま使用して作られています!!
さすがに当時は内容までは考えていなかったんですけど…
それに完結は他の作品が早かったですが、これが処女作です!
ちなみに私も……))))))
はい!!かなーり!!時系列が!!イカれてた所もあったと思いますが!!
…………気にしないでください!!
細かいところは気にせず!純粋に楽しんで読んで頂ければなと思います!!
良ければ
★★★、応援、コメント、レビューをお願いします!!
そして、この小説には続編はないと思うのでそこんとこ把握お願いしますm(_ _)m
しかしもう新作の執筆には取り掛かっているので皆様がもう2週程、読んでいる間には公開できるんじゃないかなぁ……と!!
いう感じなので!!
気長に待っててください!!
(とか言いつつ来週には公開予定です!!)
あとがきで400文字イキそうですね。
そして!!200PVありがとうございます!!
まだまだですが皆様に見ていただけて嬉しいです!!
これからもよろしくお願いします!!
それでは長くなりましたがこれにて、
「地縛霊 根元 桜の恋」は完結とさせていただきます!!
皆様本当にありがとうございました!!
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