第17話:願い
それから、舞は大学にも行かずにずっと俺のそばにいてくれた。
俺がここに居られるのは今日含めあと2日、ここ3日で俺はどんどんと薄くなっていった。
もう今にも消えてしまいそうだ。
だけど、舞は笑っていた。
舞曰く、さよならは悲しいけど、泣きながらさよならするのはもっと悲しい。
との事だった。
静かに舞は俺の手があるところに手を重ねてきた。
―――その手はすり抜けてしまった。
「触れないのは、もどかしいね。」
そして、舞は座ったまま寝てしまった。
舞はココ最近、夜ベッドの上で布団にくるまり、肩を震わせている。
そのせいで寝れていないのだろう。
俺がいなくなったら、舞はどうなってしまうのだろう…
俺が言えたことではないが、舞には笑っていて欲しい。
そんなことを思いながら、俺は夜を明かした。
俺が消えるまで、あと0日。
今日の夜。
俺は消える。
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