第14話:今日の俺はおかしいな。

「心配してくれてありがとう、私は大丈夫だよ。」


「あ…うん。」


舞は明るい。そして純粋だ。

故にそこにつけこもうとしてくる輩もいる。

だから俺は舞が心配だったんだ。

生きてる時に感じたことのない感情をたくさん教えてくれる舞が―――


「まいーまだー?」


あ、忘れてた、いたんだ。


「あ、うん!すぐ行くよー」


「ごめんね、桜君…!また後で話そうね(コソッ)」


そう言って舞はあいつの元に行ってしまった。

……鈴本理夏、よし、覚えた。


…………


(―――舞が…?)


(―――俺は舞がなんだと言うんだろう。)


……今日の俺はおかしいな。


―――俺は幽霊。舞は人間。こんな気持ちになることなんて許されないんだ。



「これも…嫉妬なのかな……」



舞が教えてくれた最初の感情。



そして俺が舞を―――



やめよう。こんな事を考えるのは。

これじゃあ舞は幸せになれない。


俺は舞が幸せになるのを見ていたい。

もっと舞が笑っているのを見ていたいんだ。


だから――嫉妬とは違う、この気持ちとは―――さよならしなきゃ。



俺は、本能で感じ取っていた。



――――残された時間は永遠じゃないんだと。







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