第13話:心配、そして安堵

(本当に俺はどうしてしまったんだよ。)


生きている時に感じることのなかったたくさんの感情。

それらはいつだって桜の心を締め付けていた。


(あいつは俺と話すときどんな気持ちなんだろう。)


バタンッ!!


ビクゥ!!


(なになになになに急に!?そんな荒々しい開け方今までしたことなかったよね!!)


「おっじゃましまーす!!」


あ?

誰だこいつは。


「ちょっと理夏!!私の家なんだから丁寧に扱ってよ!!」


ん?舞?……ってことは―――


(これが友達!?舞の!?あの乱雑そうな女が?)


すると舞が申し訳なさそうにこちらを見てくる。


(まじか…)


舞がリビングにあの女を入れたところで俺は舞に手招きしてこちらへと呼ぶ。


「あっ……理夏、ちょっとトイレ行ってくるね。」


「りょーかーい」





「ど、どうしたの?」

「あれ、本当に舞の友達?」

「え、そうだけど…どうかした?」

「いや……舞とは対称的な感じだったから…」

「あー、もしかして私が無理してあの子と友達付き合いしてるって思ったの?」


コクッ


「…心配してくれてありがと、大丈夫だよ。」

「…………なら、いい。」


そっか。大丈夫なんだ。


心のどこかで彼女の安全に安堵した自分がいた。

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