第7話:なんとも言えない空気
あの日から数日経った。
あらから俺と彼女の間には気まずい空気が流れていた。
というか彼女から話しかけられることは何度かあったものの俺がそれを無視していた。
なんというか、うまく説明出来ないが彼女は過去になにか心に傷を負うようなことがあるふうに見えた。
それが、どことなく母さんの雰囲気に似ていた。
(アイツはどんな過去を持っているんだろう。)
アイツも俺とはまた違う闇を心に背負っているのかもしれない。
もしそうだとしたら俺は助けてあげたいが―――
(どうすればいいんだ……!!)
そう。
生きている頃、人と会話をろくにしてこなかった俺には困っている人にどう声をかけていいかも分からないのだ。
(不甲斐ない……)
「さっきから何してるの?」
(!?)
「ずっと頭かかえてたけどなにか考えごと?」
見られてたのか
「…………まぁ……そんなところだ。」
「なにかあったら言ってね?じゃあ私は部屋で勉強してるか―――――」
「舞は!……舞はなにか昔、辛いことがあったのか……?」
「………ッ!!」
舞はなにか驚いたような、悲しいような顔をしてこちらを見た。
「なんで……」
「だって、あの日俺の質問に答えた時、辛そうな顔をしてたから……」
「あ〜、顔に出てたか〜。」
舞は普段は凛々しい眉を困ったように垂れさせて笑っていた。
「もし良ければ、話を聞きたい。舞にどんな過去があったのか知りたい。」
「困ったな〜そんな風に言われたら断れないじゃん。」
「……ごめん。」
「いいよ、昔の私について話そうか。」
舞は仕方ないといった感じで話し始めた。
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