45th The Monk Again.

 俺はまた朝から寺の掃除をした。昼には禅をして、また掃除をした。夕暮れ時に庭をいていると坊主が近づいてきた。俺はなぜか嫌な気分になった。


坊主はあたりを見渡している。


そして俺の方を凝視した。目を細めてじっと見ている。

俺はまるで自分の弱い心が見透かされているような気がした。

動けなかった。


坊主は言った。


「うん。いいだろう。明日は家に帰って掃除をしなさい。」


そういうとまた坊主は去っていった。



冷たい風が落ち葉を遠くへ運んだ。

夕陽ゆうひが赤々と空を染めていた。


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