43th Cleaning up the Temple.

 朝の掃除の時間が始まった。俺は寺の廊下を進んでいた。俺はもどかしい気持ちでいっぱいになっていた。掃除道具をとって、お堂へとすすむとすぐに掃除にとりかかった。

 アリスが今やっているシミュレーションがうまくいかなかった場合、今一緒に過ごしている彼女が消えてしまうかもしれないという話を思い出していた。かといって自分は何をすることもできず、声をかけることすらできなかった。


俺は悔しさをぶつけるように雑巾で何度もゴシゴシと床をいた。バケツに思いっきり力まかせに雑巾を絞った。水がしたたった。


雑巾の水の冷たさが今はありがたかった。


俺は何も考えられなかった。ただひたすらに床をき続けた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る