39th Three Pieces of Advice.


俺は少し躊躇ちゅうちょして答えた。

「俺はカイン。」


坊主はニコリと笑うと話を続けた。

「よろしい。では、私からそれぞれアドバイスをしよう。まずアリスちゃん。」


『はい。』

アリスは礼儀正しく答えた。


「敵と闘うんじゃあない。大事なことは自分に勝つことだよ。」

アリスは首をかしげた。坊主は笑みを崩さず話を続けた。


「つぎにエレナちゃんだが、」


アリスが身を乗り出して口を挟んだ。

『ちょっと待って下さい、先生。それだけでは、定義ていぎしかねますが。』

坊主は答えた。

「ははっ。残念ながら僕にもそれだけしか言えない。」


少し間をおいて坊主は答えた。

「そこから先は君たちが考えることさ。できなければそれまでということで。」


アリスは苦い顔を作った。そのすきに坊主は話を続けた。

「エレナちゃんは、時期を待つことかな」

『え。それだけですか?』

「まぁそれだけ、といえばそうだね。」

エレナはポカンとしている。


「そして君、カインといったか。


 君は





 少しうちで修養していきなさい。」


坊主の顔が険しくなった。

時は夕暮れ、外では鈴虫が鳴いていた。

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