29th Stop Training.


「アリス、それで何戦目だ?」

『マスター、2517戦目です。』

アリスはシミュレーション上の敵機と延々戦い続けていた。


「勝った回数は?」

『、、、ありません。』



しばらく二人とも沈黙していた。



「そうか。一旦、休憩にしよう。」

『しかし!!』

「俺もしばらくは休暇を取る。お前も休め。第一、あれとまた戦うとは限らないぞ。」

『マスター私は悔しいです。敵に勝つことはおろかマスターさえ守ることができなかったのです。AI失格です。』

「そう言うな。俺も尻尾を巻いて逃げ出した。命があっただけ、機体の損害をあの程度で抑えただけでも大したもんだよ。」

『私に休みは不要です。ですがまたいつか同じことが起こって、次はマスターを守れないかもしれません。私はそれが、、、』

「言うな。ともかく休もう。アリスが休まないと俺も休めない。」

『、、、分かりました。』


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