2nd The Rising Suns.
『貴方の仕事ぶりにはいつも感服します。予定より10分早いですね。』
マリアの軽やかな声が聞こえた。
マリアはいつもこういう調子だ。しかし褒められるのは悪い気分ではない。気恥ずかしさを隠すように俺は答えた。
「これで仕事は終わりかな。」
『はい。問題ありません。そのまま帰投してください。報酬はいつも通りに。』
「長距離の稼働でマシンにも負担がかかっているので助かる。ではまた。」
『それではまた。』
そういうとマリアのメッセージウインドウは消えた。
俺はそのまま真っ直ぐガレージへと機体を向けた。
最新式の人型兵器とはいえ長距離の飛行はかなり
そう思った瞬間
後方から突如、閃光が襲ってきた。視界は真っ白、コクピットはアラートの騒音に包まれた。その直後、機体は轟音と共に激しく揺さぶられた。俺はすぐさま敵機の襲来を確認した。レーダーに敵機はなく、ディスプレイに情報も入っていない。
光の来た方向を見ると、三個の小さい太陽が並び、宇宙まで届くほどの轟炎の火柱が立ち昇っていた。
「あいつら、核を使いやがった。」
HUは旧世紀では実験以外使うことのなかった核兵器を使ったのだ。しかもそれを俺たちへ向けて。その事実に冷や汗が出て、自分の顔から血の気が引くのが分かった。赤子のように手を握りしめて自分の身体の無事を確認すると、スロットルを最大に引いてガレージへと最高速を出した。
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