第2話 悲鳴

(先輩、どこにいるの? 早くこいつを逮捕して)


 美由紀の心のなかのSOSは届かない。ナンバー6は美由紀の蜜口から指を抜くと、彼女のパンティを膝下まで一気にずり下ろした。


「ああっ!」


 美由紀の股の間から黒い欲棒が出現した。

 あのときの記憶が甦る。

 絞殺魔・朽木弁太郎に犯された記憶だ。

 太く黒光りした欲棒は美由紀の内部に侵入して膨張し、精を放つ寸前で玲香に助けられたのだ。

 その欲棒がいままさに美由紀の剥き出しの股間に向かってち昇ってくる。


「きゃああああああーーっ!!」


 思わず美由紀は悲鳴をあげた。

 その肩をだれかが後ろからつかむ。

 振り向くと――


「もう、終わったわ」


 さえない中年男性をチョークスリーパーした玲香がいた。

 こいつが西京線6番車両の男、ナンバー6だろうか?





「大丈夫?」


 玲香が缶コーヒーを買ってきてくれた。

 引き渡した所轄の警察が「あとは任せてください」というので、玲香と美由紀は近くの公園へいって休むことにしたのだ。

 美由紀はまだパニック傷害のような症状を引きずっている。負の記憶が混濁して立ちあがれない。


「少し休めば大丈夫です」


 それだけいうのが精一杯だ。

 と、そのとき玲香のスマホから着信音が鳴った。


「はい、城戸です。

 なんですって!! わかりました、すぐ向かいます!」


「なにかあったんですか?」


 スマホをバックにしまった玲香の顔が険しい。


「現れたのよ」


「現れたってだれが?」


「絞殺魔が再び烏ヶ森に!」



   つづくっ!

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