第27話

「あはは」



 白磁の少女は、この町地下の邪神を復活させようとした少女である。

 手下の邪神子を従え、八つの生きた転生者の魂を捧げ、儀式を成功させようとした。



「ここに、8個の鍵があるの」



 白磁の少女は、手のひらから八つの鍵を取り出す。



「前回、邪神復活の儀式が強制中断されたから。魂を別のもの……鍵に変えて暴走を防いだのー。誰かさんのおかげでねー」

「うっ……」



 居心地悪くする、工口。

 しかし怒るわけではなく、クスクスと笑う白磁の少女。



「この鍵を……支店長お姉ちゃんを除いた、ここにいる8人。一人一個ずつ配るわー」

「! 私がやるわよ」



 白磁の少女から、八つの鍵を受け取る支店長。

 白磁の少女は説明を続ける。



「この大型ショッピングセンターYEYAN地下2Fにある、邪神祭壇にこの8個の鍵を捧げれば邪神は復活するわー。邪神イヤラは復活の際に一つ願いを叶えるという……『処女にエロ漫画を描かせる会』はきっとそれが目的なのねー」



 白磁の少女は、身振り手振りいっぱいに状況を伝える。



「なるほどな……我々8人が、8つの鍵を守護すれば、世界の平和は守られると言うことだな」



 勇者がフムフムと頷く。



「守れれば……の話ですが」



 支店長が鍵を握りしめ、ぼそりと呟く。



「?」

「支店長さん……?」



 魔王ペドと火星人が、首を傾げる。

 その時、会議室のドアが勢い良く開かれた。



「私は今日は、休日のはずよ……!」



 記憶に新しい声。

 白いブラウスとタイトスカート……。

 そこに居たのは、支店長だった。



「!?」

「支店長さんっっ!?!?」



 スクリーン前に一人。

 会議室ドア前に一人。

 二人の支店長が立ち並んだ。



「えっ! 二人いる……! 双子!? 双子なんですかっ!?」

「もしかしたら、兄弟経営かもしれないなのよ……」

「副店長さんっっ!?!?」



 ペドと火星人はコントをしていた。



「いいから、そこのあなたッ! 正体を見せなさいっ!!」



 入ってきたドア側の支店長が、もう一人の支店長に指を突き出す。



「くくく……フハハ。ふふふふふ……」



 スクリーン側の支店長が、無表情のまま笑い声を上げる。



(!? この嫌に反響する高音の笑い声は……!)



 息を呑む工口。



「まさか……純潔守か……?」

「ご明察でェす♪」



 スクリーン側の支店長が、突然ビリビリと顔面の皮膚を剥がし始める。

 床に支店長を模した、ラバーマスクの皮が広がっていく。



「『処女にエロ漫画を描かせる会』会長……純潔守!」



 中から現れたのは、絵に描いた様に凡庸な男の顔である。

 たが、笑顔の口角が異常に吊り上っていた。



「……邪神復活の8つの鍵。我が手中に得たり!!」



 そう言って純潔守は、鍵を握った手を天に突き出し。

 高らかに宣言する。



「……!?」



 スクリーン上のYEYAN創業者PVは、まだ中盤にも差し掛かっていなかった。




            第六部   VS処女にエロ漫画を描かせる会 おわり。




*************************************

主人公・工口 現在習得済みの技



『乳頭クリクリ』

遠距離技。遠くから乳首を弄れる。イク寸前で止め、一気に放出で失神可能。


『ステータス・フラッシュ』

近距離技。突然ステータスを表示し、相手を驚かせる。暗所だと威力アップ。


『フィンガー・デード・W・ディギトゥス』

近距離技。クリクリと同時に直接乳首を弄る。16倍のエネルギーがあるという。


『HHハプニング』

移動技。エロ引力で近くの性的対象者に突っ込む。別名ラッキースケベ。


『女体八艘飛び』

移動技。HHハプニングを繰り返し使用し、性的対象者を跳び歩き高速移動する。


『童貞特有の発作』

持病。ムチムチボインから反射で退避する。一定時間、思考・コントロール不可。

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