第13話
「きぃい~! 結界を解きなさいのよぉ~!!」
火星人たちは、結界の透明の壁にびっしり張り付いている。
タコ型生物だけあって吸盤で吸い付けるようだ。
「多分奴らの宇宙船の瞬間移動は、一定の距離での加速が必要なんじゃないかって思うんだ。でなければ、魔王城にあんな勢いで突っ込んだりしないからな」
腰に手をやり、解説する工口。
「つまりは、結界内の狭い距離なら加速が足りず。ワープ出来ないってわけだ」
「……」
少し離れた丘で。
気絶した勇者を間に挟み、工口とペドは張り付く火星人と半壊した魔王城を見ていた。
「……助けてくれて」
ペドがぼそぼそと。
「……ありがとうございます。……でも、どうして助けてくれたんです?」
工口に顔を合わせないようにして尋ねた。
「……ちょうど、虫をつぶした時に『テンテロリン』ってリズムが頭の中に流れてな。これって多分、レベルアップの合図だろ? それで、またスケベ秘術を習得させて貰おうと思ったんだよ」
工口は、自分の腕を組もうとした。
が、腕の痛みを思い出し、そのままだらんと下げる。
「ぷっ……。そうだったんですか。私はてっきり……」
ペドの表情が少し緩んだ時、日が昇り始める。
「……工口さん。あれを見てください」
日の差す方を指差すペド。
「火星人たちは侵略戦争を仕掛けてきましたよね? おそらく、このあたり一帯は植民地にされたはずです。大袈裟かもしれませんが、あなたがこの町を守ったんですよ」
「俺が……この町を……」
朝日に、城下町全体が照らされていく。
「……ん?」
薄目になる工口。
「あれはショッピングセンターじゃないか? こっちはショッピングモール……」
いくつかの大型商業施設が目につく工口。
「……転移してくるのが、人間や火星人だけとは限らないんです」
「えっ。じゃあ、町がゴーストタウンと化してたのは……」
ペドは工口の方を向いて叫ぶ。
「魔王だって、資本には弱いんですっ!!」
ペドの嘆きが町にこだました。
「……とりあえず、勇者さん運ぶ用にショッピングカート借りにいこう」
工口はまた少し、現代に帰りたくなった。
第二部 VS火星人戦 おわり。
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主人公・工口 現在習得済みの技
『乳頭クリクリ』
遠距離技。遠くから乳首を弄れる。イク寸前で止め、一気に放出で失神可能。
NEW『ステータス・フラッシュ』
近距離技。突然ステータスを表示し、相手を驚かせる。暗所だと威力アップ。
NEW『フィンガー・デード・W・ディギトゥス』
近距離技。クリクリと同時に直接乳首を弄る。16倍のエネルギーがあるという。
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