第8話 VS火星人戦 ステータス・オープンの意外な使い方とは!?
「ここからが、異世界生活の始まりですっ!」
ペドの高らかな宣言により、魔王城門の重い扉が地響きと共に開かれた。
そこの先には、石畳の道。赤レンガの家。人の行き交う小粋な――
「誰もいないな」
そこにはボロボロの石畳と黒ずんだレンガ、風に吹かれたゴミの行き交うしみったれ城下町があった。
「これが魔王の支配する城下町なのか。ハァ……」
「こ、こういうのは情緒があるって言うんですっ! 侘び寂びですっ! ホラッ! あそこの食事処とか美味しいですからぁ」
ペドは、如何にもな趣のある店を指差す。
ズルズル……
「おぇ……。どうでした?」
鼻水のような弾力のある半透明な何かを箸で掴みながら、ペドが尋ねる。
「うん……。城の食事をうんこで例えるなら、その上澄みって感じかな」
「うんこ……」
「リアクションもしづらい……」
肩を落とし、眉間を掴む工口。
「ハァ……帰りたくなってきた」
腰の銃火器を無意識にまさぐる。
魔王城から、また密かに盗んできていた。
「!? ちょっ、ちょっと待ってくださいっ!! えぇと、そこの遊戯施設なんかはナウなヤングにバカウケですよっ!!」
工口の袖口を強く引っぱるペド。
遊戯施設にはいくつかの携帯ゲームのようなものが置かれていた。
「こんなテキ屋……。て! これはボタンを押して水中の中の輪っかを棒に入れるゲームじゃないか」
少しづつ、思い出すようにいじり始める工口。
「ふんす。ふんす。どーです? 面白いでしょう?」
「こんなゲーム。俺の世界じゃゲームって言わないんだ。子供騙しの――」
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