第2話非日常との出会い
「なんや?この動画からきこえたんかな?』
スマホの動画サイトで音楽を聴いていたため、巻き戻して聴いて見た。しかし、その音ではなかった。
「だれかのこえ?」
と考えたがそんな声でもない。第一このアパートは道から少し入った場所にあるためそんな声が聞こえたら人の足跡の音がする。
「なんだったんだ?怖いんだけど・・・」
そんなことを独り言のようにつぶやく。
『気のせいではない、儂じゃ。そなたに語りかっけている。』
なんだ!?頭の中に声が入ってくる。低い声で無骨な話し方だか、不思議と嫌悪感や恐怖はない。
むしろ、優しい声だ。低い声の不器用な男性が子供に話しかける時のような暖かさがある。
「だれだ?幽霊か何かか?」
手に持っているタバコの灰がベランダの床に落ちる。夜に声がいきなり聞こえると、それがいくら優しい声だろうと怖くなる。
『そんな怖がるな。我は、不動明王。大日如来の使いであり、化身でもある。お前は、八雲翔だ
な?』
なんで俺の名前まで!?というか何故お不動様が俺に??
『そんなことは簡単なことだ。お前が生まれた時から傍で見ていたからな。それゆえ時が来た
ためお主にこうやって話しかけている。』
俺が生まれた時からって、なんで?てか、考えていることが・・・
『そんなの簡単なことだ。俺はお前に降りている。俺はお前に我が不動明王の力を授けた。
お前には魔を払う力が備わった。』
俺に??何も変わってないけど。幽霊とか見えないけど・・・
『とにかくそのことは後々話そう。とにかく明日は、我のいう場所に行くぞ。』
後々話すって、今話してよ!!
まあ、明日は土曜日だから暇だけど・・・
『我は、陽が一番高く登った時間までしか思うように力が出せぬ。明日の朝早くに出るか早く
寝ろ。』
はっ!?今夜中の2時前なんですけど!!
今から寝ても4時間ぐらいしか寝れないじゃん!せっかくの休みの日なのに・・・
『では、また明日の朝。』
何もなかったように静かな夜になった。
「とりあえず寝るか。」
そう言い一口分だけ残っているタバコを吸い、灰皿に火を押し付け消火して灰皿に吸い殻を捨てた。その後クーラーの効いて、冷えている布団で目を閉じた。
一応目覚ましもセットした。6時30分という早朝に・・・
お気に入りの音楽が流れ眼を覚ます。
いつもなら、まだ眠く二度寝をするのに、この日ばかりは目が冴えている。そしてそのままロフトを降り、シャワーを浴びる。
そう、いつの通りの平日のようだ。
シャワーを浴び、髪を乾かし、朝食の用意をする。インスタントの味噌汁を作るためお湯を沸かし、その間に漬物と生卵を取り出し、卵かけご飯を作る。二、三日に一回は食べる朝食だ。そんなことをしていると、お湯も沸き味噌汁も完成する。
俺は、どちらかというと食事のスピードも早く朝食なら5分もあれば食べきれる。
食べ終わり、食器を片付ける。
『朝の用意が済んだなら、行くぞ。』
いきなりだった。昨日と同じ声というよりかは、少し元気な声が聞こえた。
夢じゃなっかったんだ。昨日のことは。
は〜、出発するか。そんなことを考えながらジャージから着替え、リュックにタオルや財布などを入れ、靴を履こうとする。
『おい、バイクに乗って移動するからその用意をしろ。』
まじかよ・・・まあ、ツーリングと考えれば楽しそうだしいいか。
そしてヘルメットを用意してバイクにまたがる。その瞬間行き先が前から決まっていたように道のりが頭に浮かんできた。
なんでいきなりという思った。どこに行くかもさっきまで話からなっかたのに・・・
『そこに行け。そこに我が求めているものがある。』
そう言われ、バイクを走らせる。
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