第2修行 想像の力
この人からは並々ならぬ気力が感じられる…妖力によるもの…?だけど、天閣さんから感じられる力は妖怪のそれとは違って見える…
「さて、本題に入る前にまずは君の力を私に見せてほしい。」
「となると…実戦ですか?」
「そうだ。全力で来てくれて構わない。」
全力か…天閣さんは特に何も武器とかは持ち合わせていないけど、どうやって戦うんだろう…?
「玲子ちゃん。」
フッ…
「本当に全力でよろしいのですね?」
「むしろ全力で来てもらわないと今の君達の力量が分からないからね。さてと、始めようか。」
チャキッ…
相手はずっと手を合わせている。まるで神や仏への祈りを捧げるかの如く…
「蝶月輪…」
バッ!!
「一刃ッ!!」
シュバッ!!
「避けろ。」
フゥゥゥン……
「なっ…!?」
確かに刀で斬った感触はした…なのに天閣さんには傷一つ付いていない…!?至近距離にまで素早く詰められながらも身動ぎ一つもしていなかったのに…何故!?
「なるほど…確かに酒王の言う通り、腕はかなり立つか…」
ならば…ここは雪女の力を使って…!
ヒュオオオオ……
「はぁっ!!」
「その力も既に私の「想像通り」。」
「氷刀……」
ガキガキガキ……
「避け続けろ。」
「雪花氷輪!!」
ガキィンッ!!!
フゥゥゥン……
「また攻撃が通っていない…!?」
「君達の力量はすぐに分かった。では、私も少し「見せる」とするか。」
ゴゴゴゴゴ……
「な、何っ!?」
「現せ。」
バァンッ!!!
何で…何で天閣さんの後ろに仏神の姿が…?
「想像を極めることは…こんなことも出来るということを覚えておくんだね。」
天閣さんが手刀にした右腕を振り上げると同時に、後ろの仏神も同じく右腕を挙げる…
『玲子ちゃん!!この攻撃を避けないと!!』
「分かってる…けど…体が動かないのよ!」
『体が…動かない…!?』
どんなに動こうとしても体が恐怖で動かない…!振り上げられた右腕はすぐそこまで迫ってるというのに!
ズゥゥゥン……
「きゃあっ!!」
ピタッ。
「えっ…?」
下ろされた腕は私の頭上でピタリと止まり、天閣さんの後ろから見えた神々しい仏神も消えていた。
「驚かせて悪かった…今のが私の力なんだ。と言っても、ほんの少しの力しか出してないけどね。」
「今のでほんの少しなのですか…?」
「あくまでも私の力を「見せる」だけだからね。大分手を抜かせてもらったよ。」
ということは…本気でやるとどうなるか、たまったものじゃないみたいだ…
「私は、人の持つ「想像」を武器に戦う。先程見せた力の種明かしはこれだ。」
「想像の…力…」
「そうだ。想像の力を極めれば…無から有を作り出すことも出来る!君達には出来る限り想像する力を短期間で強く付けてほしいんだ。」
想像する力を付ければ、今後の戦いにおいて役立つことは間違いない。やっぱり酒王さんの紹介は間違いじゃないみたい…
「そうとなれば、まずは数十分の休憩を取らないとね。休憩を終えた後、本題の修行に移ろう。」
続く。
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