小説家について

 私は悲劇を特に好むようなしがない小説家だ。


 だがもしも、悲劇の嵐が通りかかったときに、私は自分がもっとも美しいと思えるような登場人物足りえるだろうか。


 もしそうでなければ、私に悲劇を書く資格はない。


 だから、私はただ、耐えぬかねばならない。


 子供のように泣いても、死にたいと思っても、過ぎ去るのを待たなければならない。

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