第37話 思い、思われ、掘り、掘られ
「いやぁー、まさか何のお咎めもなしとは、良かったなアル」
「……この裏切り者」
「まだ引きずってんのかよ、すまんかったって……」
「……許さん、友の俺を簡単に差し出すなんて!」
俺は怒りのあまりに血涙を流している。
「はぁ……めんどくせぇな……、ほらよ」
すると、ルートが俺に一冊のエロ本を渡してきた。
「……許す」
俺は流れるように見事な動きでエロ本を胸元にしまった。
「まさか、俺も国王様があんなことを言うとは思わなかったよ……」
「そんなん俺もだ。完全に予想の斜め上だったもんな」
いくらなんでも、自分の妃より良いとか言ったらあかんだろ。
「そういや、何でも一つ願いをかなえてくれるらしいんだろ?なにを頼んだんだ?」
「ああ、これだよ」
俺はルートに一枚のカードを差し出した。
「……これは?」
「これはだな、『風〇店無料チケット』だ。ちゃんと国王のサインが入ってるだろう?」
俺が国王さんに頼んだもの、それはこの国の中の風〇店ならどこでも無料になるという破格のアイテムだ。
これは神器級のアイテムなのではないか?
「そ、そんなものをお願いしたのか……!?」
「いつか、俺の呪いが解けたときに使いたいと思ってな」
「そ、そんなものより、俺のときみたいに特別許可証をもらえばよかったんじゃないのか?たぶん、俺のより効果が効く範囲は広いと思うぞ。国王様には誰も逆らえないから」
「あっ……!」
一方そのころ、大臣と国王は……。
「国王様、本当によろしかったのですか?」
大臣のフォカヌポウに話しかけられた国王、レアルが振り返る。
「フォカヌポウか、どうした?何の話だ」
「いえ、あのフォート・アレイスという男、最近ではあの男が魔王ではないのかという噂がありまして……」
そんな大臣に対して、国王は少し鼻で笑いながら話す。
「なんだ?お前は証拠もないただの噂を信じるというのか?」
「そ、それを言うのならば、あの町での事件がその証拠ではありませんか!?」
大臣の発言を受けて、国王は黙り込んでしまう。
だが、少しすると国王は口を開いた。
「……まぁ、お前が言いたいことも分かる。確かに、あの男は危険かもしれない」
「で、では、何故あの男の処分を帳消しになされたのですか!?」
「余は、あの男に利用価値があると思ったからだ」
「り、利用価値……?あの男にですか?」
「そうだ」
そう言うと、国王は
「このオナ〇ワームというもの、これはとても素晴らしいものだ。実際に使ってみたが、この世のものとは思えないほどの快楽を味わうことができた。あの男にもいったが、本当に余の妃よりも良いのだ」
「はぁ…………」
「余はあの男に、他国にこれを売りに行かせることを進言しようと思っている。この意味が分かるか?」
「……まさか」
「ああ、もしもその国との間で何らかの問題が起これば、我らはこのオナ〇ワームの販売中止をちらつかせるのだ。このオナ〇ワームが気持ちいいのは確かだ。そのため、各国の貴族や大臣、はたまた国王まで使うことになるであろうな」
「なるほど、揉め事が起こったときに、我々は販売中止をちらつかせれば、相手方の国は我々が有利になるように和解を求めてくることになると……!」
「そういうことだ」
「まさか、そこまでお考えだったとは……!このフォカヌポウ、感服いたしました!」
「ハハハ!そうかそうか!」
「……そうかそうかじゃないですわ」
と、どこからか女性の声が聞こえてきた。
その声を聞いた国王の体がビクッと震える。
「これはどういうことですの?」
「なっ……!?ホ、ホリィ!?いつからそこにいたんだ!?」
声の主は、この国王の妃、アルケリドス・フォーチュン・ホリィだった。
「最近、妙な噂をメイドたちから聞いたものですから、こっそり付いてきましたの」
「み、妙な噂だと?」
「えぇ……、レアル様が、私などよりも自慰のための玩具のほうが具合が良いなどと言っていたと……!」
「ギクッ……、な、何かの間違いだ……」
「嘘ですわ!今ご自分で『ギクッ……』ておっしゃったじゃないですの!」
そう言うと、ホリィは一本の杖を取り出した。
「『破壊の神よ……、今、ここに契約を交わす……』」
ホリィが何かの呪文を唱え始める。
「待て!その呪文はまさか……!」
「『我は怒り……、悲しみを受け……、憎しみを覚え……』」
「は……、ははッ、『破滅呪文』だあああああああッッ!?うわあああああああッッ!!」
ホリィの唱えている呪文が破滅呪文だと分かると、大臣のフォカヌポウは国王を置いて逃げてしまった。
「レアル様の浮気者!あなたを殺して、私も死にますわ!!『破滅の力を我に分け与えよ……』」
「く……このままでは死んでしまう……」
レアルの額を汗が伝う。
「こうなったら……これしかない!」
そう言うと、レアルは何かを床に叩きつけた。
すると、辺りにピンク色の煙が充満していく。
「『我が命と引き換えに……』って、ゴホッゲホッ!な、何ですのこれ!?」
ホリィが何度もせき込む。
煙が散乱して、視界がクリアになると……。
「な……、何ですのこれえええええええええッ!?」
そこには、スカートの前の部分にテントが張ってしまっているホリィの姿があった。
「さっきの煙のせいで、お前に男性器が生えたんだ」
「どどどどど、どういうことですのおおおおおお!?」
「お前に、これを使ってもらおうと思ってな」
レアルはホリィにオナ〇ワームを差し出した。
「お前も、これを使えばその素晴らしさが分かるはずだ!」
「ここ……これを……私のおち……に……」
ホリィがゴクリと喉を鳴らす。
そして、レアルからオナ〇ワームを受け取ったホリィは……。
やぁ、初めまして!俺の名前は『自主規制兄貴』!
大人の都合で現れる謎の存在だ!
ここから先は自主規制対象だぜ!とても見せられたもんじゃあねぇ!
……なに?「あんた邪魔だ。さっさとどけ。お姫様の令和18年シーンが見えないじゃないか」って?
おいおいおい!そりゃないぜベイベー!
俺だって、好きでこの仕事やってんじゃあねぇぜ!
しょうがねぇなぇ……少しだけ内容を見せてやるぜ。
俺に感謝しろよ、ベイベー?
「おッ♡!?お”お”っ♡!にゃ、にゃにこれしゅごいッ♡!!おおっ♡!?オ”ォンッ♡!!おう♡!おうっ♡!しゅ、しゅごいですわぁッ♡!!んほぉ♡!お”ぉん!おんおん♡!」
……ここまでだぜベイベー。
これ以上は見せられたもんじゃあねぇぜ!
「おっ♡おほぉ……♡!」
一通り出し終えたホリィは、床に尻もちをついた。
「どうだ?これの良さが分かってくれたか?」
「え、えぇ……♡とっても……よぉく……わかりましたわ……♡」
「そうか、それは良かった!」
「えぇ……、でも、私まだ足りませんのぉ……♡」
「ああ、そうなのか?」
「そこでですね……♡」
すると、ホリィは床にレアルを押し倒した。
「なッ!?何をするんだホリィ!?」
「レアル様がいけないのですよ……♡?レアル様が私にこのようなものを生やすから……♡!」
ホリィがレアルの着ていたものをすべて脱がしてしまう。
「ま、待てッ!な、何をする気だ……!?」
「こうするのですわ♡!」
ホリィは、レアルの「出口という名の入り口」に自分のをあてがった。
「待ってくれ!それだけはヤ……!」
『自主規制兄貴』だぜ!
ここから先は見せられたもんじゃあねぇ!
え?「さっきからうるさいんだよ。いいところなんだから邪魔するな」って?
安心しろ
ちょっとだけ内容を教えてやるからよぉ!
まぁ、一言で言うと、「ホリィが掘りィになっちまった」ってとこだな!
それじゃあ、ここらでおいとまするぜ!
またな、ベイベー!
その日、国のシンボルである城に、国王の「おんおん♡!!」という喘ぎ声が響き渡った。
何が起こったかというと、ホリィが『掘りィ』になってしまったのだ。
この日から、2人の関係は「思い、思われ、掘り、掘られ」になってしまったとさ。
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