第36話 妃よりも気持ちよいのだ(迫真)

例の町でのオナ〇ワーム騒動から数日が経過し……。


現在俺が何をしているのかというと……。







「国王様、大臣の『フォカヌポウ』でございます」


「おお、フォカヌポウ。どうした、余に何の用だ?」


「はい。前に国王様が話をしたいとおっしゃられていた男を連れてまいりました」


「おおッ!それは本当か!?」


「はい。今、外で待たせております」


「おお!では早速呼べ」


「はい、かしこまりました。……おい、ドングラス」


「はい、呼んでまいりますね」


ルートが俺の方に向かって歩いてくる。


「……アル……、残念だが……、国王様がお呼びだ……」


「……いやだよぉ、……死にたくねぇよぉ……」


「死刑はない……とは思うが……、何らかの刑罰は確定だろうな」


「い、いやだ……」


なぜか、俺は国家『グラルニア』の国王にお呼び出しを食らったのだ。


数日前、ルートに散々怒られた俺は肩を3ミリほど落としながら次のオナ〇ワームの販売について考えていた。


すると、突然魔王城にルートがテレポートしてきて……。


……そのあとは言わなくても分かるだろう。


ようは、グラルニアの国王さんに俺が呼び出しされたということだ。


ルート曰く、『絶対あのオナ〇ワームの件についてだろ……』


『……それってもしかして国王さんに怒られるやつ?』


『怒られるどころじゃ済まんかもしれんぞ』


『えっ』


『販売の強制的な中止、罰金刑、懲役刑、最悪の場合死刑なんてことも……』


『えっ、いや、おれ性玩具売っただけジャン!?べべべべべべ、別に大丈夫だよな!?』


『気持ちは分からなくもないが、町一つの女性全員が数日寝込むのは普通危ないと思うだろ。仕方がないことだ』


『い……』





「嫌だああああああああああ!!なぁ、ルート、お前貴族なんだろ!?何か方法はないのかよ!?助けてくれよ!」


「……安心しろアル」


そう言って、ルートは俺に向かって満面の笑みで……。


「お前のことは一生忘れないから」


「ふざけんなあああああああ!諦めんじゃねええええええ!」


俺が荒れに荒れていると。


「おい、ドングラス!例の男はまだなのか!」


「あっ、はい!今向かわせます!」


「この裏切り者おおおおおおおおお!」


俺が大声を上げると。


「はうッ!?」


突然、俺の後ろの首の付け根に、ルートの手刀が飛んできた。


「この……裏切り……も……」


そして、俺は意識を失った。





「はっ!?」


俺は目を覚ました。


「こ、ここは……?」


「ようやく目覚めたか」


そんな太い声が後ろから聞こえてきた。


恐る恐る振り返る。


「おはよう、フォート・アレイス。余がこの国の国王、『アルケリドス・フォーチュン・レアル』である」


そこには、金色の服に身を包んだ国王の姿があった。


あっ……(絶望)。


「早速だが、これについて話がしたい」


そう言うと、国王はどこからかオナ〇ワームを取り出した。


「先日、とある町でこれが大流行したという話を耳にしてな、詳しい話を聞いてみれば、この生き物のせいで町中の女が数日寝込んだそうではないか」


あっ……(どうあがいてもジェノサイド)。


「この生き物は何という名前なのだ?」


「……お……オナ〇ワームっていいます……」


「ふむなるほど、オナ〇ワームというのか」


も、もうだめだ……。


アロマの言う通り、オナ〇ワームこんなものを作るべきじゃなかった。


こんな形で死ぬんなら、ミメシスとの戦いのときに華々しく死んどけばよかった。


「ふむ、でだ……この生き物を生み出し、町の女性を数日間にかけてショック状態にしたお前の処遇についてなのだが……」


あぁ……死ぬんなら最後にオナ〇ワームで一発ヌイてくればよかった……。



「処分は無しだ」


「…………はぇ?」


だが、国王の口から出てきた言葉は予想外のものだった。


「むしろお前には褒美をやりたいくらいだ」


「……ん?」


さらに、予想外の言葉が飛び出してくる。


「いやな?その町の男どもにも聞いて回ったのだが、どうやらこれは自慰のための道具のようなものだという話を聞いて、余も実際に使ってみたのだ」


「はい……、はい?」


今この人なんて言った?


実際に……使ってみた?


「実際に使ってみた感想なのだがな……正直言って天国に逝ってしまいそうだった。いや、別の意味でイっていたのだがな?」


まさか、国王もマスベ自分で自分を慰めるのか!?


「はっきり言うと、余のきさきよりも気持ちよいのだ」


……はい?


この人何言ってんの?


いや、いくらオナ〇でも本物の女性には敵わんし、そんなこと国王が言ってええんか?


この国は大丈夫か?


「そこでだ!このような素晴らしいものを作ったお前には褒美をやろうと思う」


「えっ、マジで……本当ですか!?」


「ああ、何でも言ってみろ。一つだけ願いをかなえてやろう。その代わり、余に定期的にこの生き物を献上してくれ」


「そんなことでいいのでしたら喜んで!」


しかし……願いか……。


俺の心からの願いは、童貞を捨てることだ。


だが、この前の呪術師曰く、俺の呪いは解くことが困難らしい。


だから、童貞を捨てたいと願っても、国王さんにはどうすることもできない。。


でも、他に俺が願いたいことなんて……。


……あッ!!


あるわ、一つだけ!


「あの!ぜひお願いしたいことが!」


「よかろう、何でも言ってみろ」


「じゃあ……」


俺が国王さんにお願いしたもの。


それは……。

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