オナ〇ワーム騒動
第32話 ロイドへの怒りと魔王の仕事その2とオナ〇ワーム
ミメシスとの戦いが終わり、1億という大金を手に入れ一気に億万長者になった俺だったが、その1億のうち9000万ゴールドを、まさかのロイドがネコババしていってしまった。
「ウソだろアイツ……!?」
まさか、これまで散々仲良くしていたのはこのためだったのだろうか。
俺を油断させ、大量の金を奪うために。
「……いやいやいや!そんなはずないだろ!だってあいつは俺の親友だぞ?」
だからといって、いくら親友だろうと許せることとせる許せないことがある。
「9000万だぞ!?いくらなんでもふざけてるだろ!?」
……許せん。
「このやろぉ……!ぜってぇ見つけ出して全額取り返してやる!!」
俺が理不尽なことに怒りをぶちまけていると。
「あれ、どうしたの魔王さま?」
後ろからしずくが話しかけてきた。
「あぁ……、しずくか。聞いてくれよぉ!あのロイドのやつが今回貰った報奨金の9割をネコババしたんだよ!あの野郎絶対に許さねぇ……!」
「えっ?9割ってことは……9000万ゴールド!?うわぁ……、たしかにそれは許せないね」
「だろぉ!?いくら親友だからって許せねぇ……!次あったら一発ぶんなぐってやる!」
「ちょうどよかった。魔王さま、はいこれ」
「ん?何だこれ」
俺が怒りを爆発させていると、しずくがカップを渡してきた。
「紅茶だよ。新作だから飲んでみて」
「え?あ、あぁ……」
言われた通り、俺はカップの中身を口に含んだ。
すると、飲み込んだ瞬間、とてもいい香りが鼻から抜けていった。
「おおッ!何だこれ、すごくいい香りだな!」
「でしょ?新しくハーブティーを作ってみたんだ」
「すごくうまいなこれ!」
すると、しずくがこんなことを言ってきた。
「どう?落ち着いた?」
「え?」
「怒ってもいいことないよ?怒ったときは、お茶を一口飲んで心を落ち着かせる。だから、さっきの魔王さまにはちょうどいいと思って」
「そ、そうか……」
たしかに、怒ったところで金が戻ってくるわけじゃない。
しずくは俺を落ち着かせようとしてくれたのか。
「ありがとうな、しずく」
「どういたしまして。感謝の気持ちがあるなら、研究費用をもっと出してほしいな」
「それはまた今度な。なんてったって、9000万も金が消えたんだからな」
「それもそうだね」
しずくが笑った。
つられて、俺も苦笑してしまう。
「魔王さまあああああああああ!!」
そこに、突然アトラスが大声を上げながら走ってきた。
「うおッ!?ど、どうしたんだよアトラス?」
「ま、魔王さまに……、お届け物です……!」
アトラスがハァハァ息を吐きながら答える。
まぁ、無理もないだろう。鎧を着て、ここまで走ってきたんだから。
「お届け物?」
「はい!これです!」
俺はアトラスから一通の手紙を受け取った。
差出人の名前は『ドングラス・ルートリア』になっている。
「ルートから?一体なんだ?」
早速開けて、読んでみる。
よぉ、アル!
元気か?
魔王軍幹部の件については、本当に感謝している。
ありがとう。
ところで、例の呪術師の件なんだが、俺がこの手紙を書いた10日後に王都に来てくれることになったんだ。
この手紙に日付が書いてあると思うから、その日から10日後の日に、王都の俺の屋敷に来てくれ。
お前の呪いが解けるといいな。
ルートリアより
「な、なんだって!?」
ついに呪術師が来てくれるのか!
手紙の日付は、今日から3日前になっている。
つまり、呪術師が王都に着くのは今日からちょうど1週間の日だ。
「ああ、待ち遠しいな……!」
これで、俺は呪いを解呪できる。
そうすれば、童貞を捨てることができる……!
「何か良いことでも書いてあったの?」
「え?ああ、いや別に」
「えっ、そうなんだ。でも、待ち遠しいって言ってたよね」
「ああ、今度昔の俺の仲間と会うことになってな。それが待ち遠しくて」
「あぁ、なるほど」
しずくに聞かれたことを適当に言ってごまかす。
さすがに、『童貞を捨てるのが待ち遠しい』とは言えないからな。
「しかし、あと一週間か」
まぁまぁ時間はある。
一週間、何をして過ごそうか……。
「……そうだ!」
久しぶりに、魔王の仕事をしよう!
NO.7 トロール
巨大な体躯をしている人型の魔物。
その容姿は醜悪で、知能は低い。
「…………」
『ふえぇ……、おなかがすいたよぉ……』
『ふえぇ……、さっきおおきなぶたさんをとってきたよぉ……』
『ふえぇ……、みんなでたべるんだよぉ……』
バリボリと、音を立てながら猪のような魔物を生で食べるトロールたち。
そう、今しゃべっていたのはあのトロールである。
巨大で、とても気味の悪い見た目をしたあのトロールである。
「あの……、ちょっといいかな?」
『ふえぇ……、まおうさまだよぉ……』
『ふえぇ……、あたまをさげるんだよぉ……』
俺が話しかけると、トロールたちは律義に頭を下げてきた。
「あ、ありがとうみんな。頭を上げていいよ」
『ふえぇ……、おゆるしくださり、ありがとうなんだよぉ……』
トロールたちが頭を上げる。
……うん、みんなも思ったと思う。
(しゃべり方おかしくない?)
俺の図鑑に『トロール(精神幼女)』が追加された。
触手たち曰く、『こんなものは幼女じゃないでござる』だそうだ。
NO.8 ピエロ
ピエロ。
それは正体が分かっていない謎の生物SCPの一つである。
その正体はペニ〇・〇イズ(ペニス・エイズ)とも、〇ナルド(おナルド)とも言われている。
「すみません、ケバブ1つ」
俺がそう言うと、ケバブ屋の店主がこちらを向いて答えた。
『ぷっぺるぎゃるぺるぎゃっぽっぱぁぁぁぁぁー!(あいよ!マスタードは?)』
「あ、抜きで」
『ぷっぺるぎゃるぺるぎゃっぽっぱぁぁぁぁぁー!(あいよ!ちょっと待っててくださいね!)』
ここは魔王城の中で開かれている人気のケバブ屋。
店の名前は『KAWAGOE』。
毎日、多くの魔物がここを訪れる。
『ぷっぺるぎゃるぺるぎゃっぽっぱぁぁぁぁぁー!』
店主はチェーンソーを取り出すと、勢いよく肉を切り始めた。
そして……。
『ぷっぺるぎゃるぺるぎゃっぽっぱぁぁぁぁぁー!(はい、どうぞ!)』
出来立てのケバブを俺に渡してきた。
さっそく、一口ほおばる。
「うん、美味しい!」
ケバブはとても美味しい。
魔物たちがみんな来るのもうなずける。
ただ……。
『ぷっぺるぎゃるぺるぎゃっぽっぱぁぁぁぁぁー!』
なんで普通に喋れないんだろうか。
腹ごしらえもしたところで、俺はロイドの件を思い出した。
「しかし、本当にどうしよう」
魔物たちを養うには、大量の金が必要になる。
いくら魔王城の周りのモンスターを狩ろうとも、俺が生み出してきた魔物の数は計り知れない。
1000万なんか、あっという間に消し飛んでしまうかもしれない。
そこで、定期的な収入が必要になる。
モンスターを狩って報酬をもらうとかじゃなくて、もっと確かに収入が入る方法が知りたい。
「何か、いい方法はないかな……」
自分の部屋のベッドに寝転がり、オナ〇ワームを手に取る。
そのとき、俺は何かに気が付いた。
俺は手に持った、にゅるにゅる動く透明なピンク色の筒状の魔物を見つめる。
そして、俺は思いついた。
「……これだ!オナ〇ワームだ!」
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