第50話 1週間

何だか1週間あっという間に終わったな……

七菜美と付き合ってから1週間。

この調子だと1ヶ月とか半年とかすぐ来そうだな……


日曜日は学校の方針で全部活が基本ない。

時間は11時、朝に走ったからもう今日は走らないけど、なんか動きたいな……


何だかじっとしてられず、散歩をすることにした。


日光がとても気持ちいい。

気づけば七菜美のことを考えていた。

どうしたら幸せと思ってもらえるんだろう……

七菜美は何をされたら嬉しいのだろうか


結局疑問しか浮かばなかった……

俺は考え事をする時、少し俯く癖がある。

前があまり見えておらず、誰かと肩がぶつかった。

慌てて顔を上げ、謝罪する


「あ、すみません。大丈夫ですか……え?」

「こちらこそすみません……え、春樹?!」

「や、やっほー七菜美も散歩中?」

「そんなとこ。あそこの公園で少しゆっくりしない?」

「おう!」


2人で並んで歩くのだが、七菜美がやけに近い

振っている手が当たりそうなんだが……


「そういえば、七菜美のお母さんって俺のこと知ってたよね?」

「うん!私昔からお母さんに色んな事相談しててさ、春樹に会ったときもいろいろ話したんだ」

「え、じゃ、じゃあお母さんは俺の事ずっと前から知ってたの!?」

「そーゆー事になるね」


ニコっと笑う彼女が愛おしくてたまらない……


「お父さんは?」

「お父さんは結構親バカっぽい感じなんだよね……言ったら絶対うるさいからまだ言ってないかな……」


お、親バカか……

挨拶に行く時は大変そうだな……


「春樹は両親とも知ってるの?」

「家族全員が知ってるなー先週はみんなにめっちゃ応援されたしな。ははは……」

「良い家族じゃん!そういえば妹ちゃんいたよね?」

「ああ、最近どんどん生意気になってきてるがな……」

「あはは。いいなー私一人っ子だから、兄妹とか憧れる」


そこからどのくらいの時間話したか分からないが、他愛のない話をずっとしていた。

俺にとっては、いや俺たちにとっては最高の時間だった……


話が一区切りしたところで、七菜美が急にベンチから立ち上がる。


「春樹!そ、その……手を……」


プルルルルルル


「あ、ごめん……もしもしお母さん?……はーい。」


七菜美はどうやらお母さんから電話がかかってきて、一言話していた。


「ごめん春樹……ご飯そろそろできるみたいだがら帰るね……」

「そっか……家まで一緒に帰らない?」

「うん!」


立ち上がり、七菜美の家に向かう。

さっき七菜美が言いかけたことは手を繋ごうみたいな事な気がする……

正直俺は七菜美と恋人らしい事をいろいろしたい……

だけど七菜美が嫌がらないかとか不安になる。

七菜美も嫌なら嫌ってハッキリ言ってくれるはず……


隣を歩く七菜美の右手を左手で握る。

いわゆる恋人繋ぎと言うやつだ……

七菜美も握り返してくれたので、どうやら嫌では無さそうだ。

横目で七菜美を見ると、にへらと笑っていた。

あーもう!可愛すぎんだろ!!



**

手を繋ごうと誘おうと思ったのに……

お母さんめ……

別にお母さんは悪くないんだけどね。


正直私は春樹と恋人らしい事をいろいろしたい。

だってずっと好きだった人とこうして結ばれたんだもの……


家に帰っていると突然、春樹が私の右手が春樹の左手で包まれる。

春樹の指に私の指を絡ませ、私も握る。

いわゆる恋人繋ぎと言うやつだ。

自然と顔が緩む。

私って、今世界で1番幸せでしょ!


帰り道の言葉は少なかった。

だけど、手を握っているだけで十分だった。

私の家の前に着いた。


「ありがとう春樹!また明日!」

「また明日な!」


そう言って振り返り、家に帰る彼を私は見えなくなるまで見つめていた。


「ただいまー」

「おかえりー……あら、いいことがあったのね」


どうやら顔に出ていたらしい。

春樹と付き合ってまだ1週間だが、とても幸せな毎日だ!






~あとがき~

昨日は早くも躓いてしまい、書くことが出来ませんでした。

まだまだこんな私ですが、どうぞこれからもどうぞよろしくお願いいたします。

皆さんに楽しんで貰えるような作品に必ずしていきます!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る